健康

自覚なくゆっくり進行

慢性腎臓病

(2014年11月27日号掲載)

症状はないが大変な病気

古谷隆一先生
【お話】
磐田市立総合病院
副病院長
腎臓内科部長

古谷隆一先生

腎臓は体の中の余分な水分や老廃物を除去するフィルターの働きをします。このフィルターに“傷が付く”と尿にタンパクや血が混じり、フィルターが“目詰まりを起こす”と余分な水分や老廃物が体内にたまってしまいます。このような状態が3カ月以上続くのが慢性腎臓病です。

慢性腎臓病には特有の症状がなく、しかもゆっくり進行するので「気が付いた時にはかなり悪くなっていた」ということもあります。悪化すると透析を受ける必要が出てきますが、それだけでなく脳や心臓の病気も起こしやすくなります。腎臓が悪いだけで、脳梗塞や心筋梗塞を起こす確率が3~4倍高くなります。つまり、慢性腎臓病は「痛くもかゆくもないけれども、放置しておくと大変なことになる病気」なのです。

生活習慣病で負担増

慢性腎臓病の原因はさまざまです。腎臓そのものが悪いだけでなく、糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病も慢性腎臓病の原因となります。また、生活習慣が乱れると腎臓に負担がかかり、病を悪化させます。ですから、生活習慣の改善は慢性腎臓病の予防や治療には重要なのです。

検査と適切な処置が重要

腎臓は大切なフィルター

慢性腎臓病は血液や尿の検査をしないと発見できないため、健康診断を定期的に受けてください。そして、尿検査に異常がある、腎臓の働きが低下している、血圧が高い、コレステロールや尿酸が高い、などと指摘されたら、軽く考えないで必ず再検査を受けてください。

病気の程度や状態に応じて、食事・薬・注射など治療方法は異なります。また、「体に良い」とされる食べ物やサプリメントの中には、腎臓に負担をかけるものもあります。慢性腎臓病と診断されたら病院を受診して、自分に合った適切な治療を早期から始めましょう。

磐田市立総合病院 TEL.0538-38-5000(代)