健康

ときどき目が外側へ

間欠性外斜視

(2014年12月11日号掲載)

視線が離れる病気

佐藤美保先生
【お話】
浜松医科大学
医学部眼科病院教授

佐藤美保先生

間欠性外斜視は、片眼が時々外側(耳側)にずれる病気です。起こるタイミングは体調が悪いとき、睡眠不足のとき、お酒を飲んだとき、朝起きたときなど、さまざま。「話中にチラチラ違う方向を見るね」と人から指摘を受けて気づくケースもあります。アジア人に多く欧米人には少ない病気ですが、原因はわかっていません。ただし、左右の視力の差が大きい人は起こりやすいと考えられます。

乳幼児の発症率は2%程度といわれています。大人は外斜視検査を受ける機会がないので発症率はわかりませんが、年齢とともに眼球は外側を向く傾向にあります。そのため徐々に悪化して、常に片眼が離れた状態の恒常性外斜視になる人もいます。

プリズムメガネで調整

間欠性外斜視の眼の状態

外斜視は両眼の視線が一致しないため、物が二重に見えることがあります。それを避けるため無意識に片眼で見る癖がつく人もいます。遠近感がないので、お茶を湯呑みに注ごうとしてこぼしたり、球技が苦手だったりします。親御さんは「子どもがいじめにあうのでは?」と心配したり、「就職や進学の際に面接で不利になるかも」と相談に来られたりします。

間欠性外斜視は本人が意識すれば眼の位置をそろえられますが、大変疲れます。そこで、軽度の場合はプリズムメガネを使い両眼で正面が見えるよう調整します。それでも改善しない人や常に不具合を感じている人には、手術という選択肢もあります。定年を機に「ずっと我慢してきたけど、やっと時間ができた」と手術を受ける方もいます。

なお、生活改善は症状改善につながります。睡眠不足を避ける、テレビやスマホを見過ぎない、適切なメガネを使うなどの工夫をしましょう。また、ほかの病気が潜んでいないかを確認するために、時々片目ずつ隠してどちらの目も見えているかをチェックすることも大切です。

浜松医科大学 TEL.053-435-2111(代)