健康

脚に痛みやしびれが出る

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

(2015年1月8日号掲載)

7割が70歳以上

荻原弘晃先生
【お話】
浜松赤十字病院
整形外科部長

荻原弘晃 先生

腰部脊柱管狭窄症は高齢者の増加に伴い、患者数が増えている病気です。国内の推定患者数は240万人、そのうち7割は70歳以上といわれています。 脊柱管は背骨に囲まれたトンネルで、その中を神経や血管が通っています。腰部は上半身を支えるためにストレスがかかりやすく、年齢を重ねると椎間板が膨らんだり、管内のじん帯が厚くなったりして、脊柱管の内部が狭くなります(狭窄)。すると、脚につながる神経や血管が圧迫されるので、脚の痛みやしびれが起こるのです(図)。

代表的な症状は間欠跛行(かんけつはこう)です。これは、歩くと徐々に脚が痛くなり、休むと痛みが治まるというものです。姿勢を正すと痛み、前かがみになると痛みが治まる人も多く見られます。

薬の服用で症状改善も

脊柱管の図解

じん帯が厚くなったり椎間板が膨らんだりすると、神経や血管の通る硬膜管が狭くなる。

狭窄が起こる原因はわかっていません。ぎっくり腰を繰り返すなど腰に負担を掛けてきた人に起こりやすい反面、重い物を持つ仕事を続けても発症しない人もいます。また、狭窄があっても無症状の人もいます。

脊柱管狭窄は問診である程度判別できますが、MRIによる画像診断を行えば確実です。初期なら血流を良くする薬を服用すれば症状が改善します。コルセット着用も効果があります。

高齢者は歩けないと寝たきりになりやすいので、早期発見が大事です。悪化して痛みが強い場合は、ブロック注射や手術を選択することもできます。「高齢だからしかたない」と楽しみをあきらめる必要はありません。手術の安全性も高まっています。

なお、脚のしびれや痛みを脊柱管狭窄症のせいだと思っていたら動脈硬化など別の病気が隠れていた、ということもあります。ですから、自己判断せずに整形外科を受診しましょう。

浜松赤十字病院 TEL.053-401-1111(代)