健康

大人も注意が必要

溶連菌感染症

(2015年1月22日号掲載)

喉や皮膚に侵入

田島靖久先生
【お話】
浜松医療センター
感染症内科副医長

田島靖久先生

溶連菌感染症というと「喉が腫れて熱が出る病気でしょ?」と思う方が多いと思いますが、実は溶連菌は数十種類存在し、これらが原因のものはすべて溶連菌感染症といい、症状も多彩です。そのため、ここでは一般的に意味することの多い「A群溶血性レンサ球菌」によるものに絞ってお話をします。

A群溶血性レンサ球菌が侵入する場所は、主に「喉」と「皮膚」です。「喉」の場合は、急性扁桃腺炎・咽頭炎を発症します。38℃以上の高熱が出やすく喉が腫れます。しかし、風邪のように咳やくしゃみ、鼻水などの症状は出にくいのが特徴です。1歳以下に多く見られますが、家庭内で子どもが感染すると人も発症しやすくなります。

「皮膚」の場合は、菌の侵入場所が浅ければとびひや丹毒、深ければ蜂窩織炎(ほうかしきえん)や壊死性筋膜炎が現れます。蜂窩織炎は足などが赤く腫れ熱を持つもので、水虫がある人は、そのリスクが高くなります。痛いので歩くのもつらくなり、入院治療が必要となることもあります。

喉の炎症後にも注意

皮膚の深部に菌が入ると、皮膚や皮下組織が壊死する「壊死性筋膜炎」になることもある

溶連菌による扁桃腺炎や咽頭炎は抗菌薬で治療します。3日飲めば症状が治まってきますが、そこで薬をやめると再発することもあるので、医師の指示に従って服用しましょう。なお、喉の炎症が治まってから数週間ほどで、顔のむくみ、血尿、タンパク尿などが出る「溶連菌感染後急性糸球体腎炎」にかかる子も10%程度いるので経過観察が必要です。

溶連菌は接触感染だけでなく飛沫感染もするため、室内の密閉性が高まる冬はもちろん、幼児が社会に出る入園入学シーズンにも増加します。うがい、手洗い、マスクなどで予防を心掛けましょう。

浜松医療センター TEL.053-453-7111(代)