健康

かかとの内側前方に痛み

足底腱膜炎

(2015年2月5日号掲載)

かかとの痛みの約8割

鈴木大介 先生
【お話】
遠州病院
整形外科診療副部長

鈴木大介 先生

足底腱膜炎は、足裏の腱膜が骨と付着する「かかとの内側前方部分」に炎症が起こり、痛みが発生する病気です。

人の足は横から見ると弓形をした甲の下に腱膜という弦が張っていて、アーチ形を保っています。骨との付着部分は伸縮しにくいので、歩いたり走ったりすると引っ張られたり衝撃を受けたりして負荷がかかります(図)。これが原因で炎症が起こるのが足底腱膜炎です。足の痛みで受診する人の10~15%、さらに、かかとの痛みで受診する人の70~80%を占めています。

若い世代は長距離走者など走る量が多い人に起こりますが、一般的には加齢により腱膜の弾性が落ちてくる40代以上の女性に多く見られます。また、最近のランニングブームで急に運動を始める中高年の方にも起こりやすく、筋肉が硬くなる冬は傷める人が増えてきます。

足底腱膜にかかる圧迫力と牽引力

朝起きての歩き始めや、いすから立ち上がる時の“一歩目”で痛みが出ますが、何もしなければ痛くありません。また、運動で筋肉が温まり柔らかくなると痛みは治まりますが、長く続けて疲労がたまると痛みが出ます。

ストレッチで改善を

足裏が伸びるように、足の指から足首に掛けて、反らす。10回を1セットにして、1日3セット以上を目安に実施。運動前は特に念入りに。

治療には腱膜を伸ばすストレッチが有効です(写真)。また、衝撃吸収材の入った靴や、痛みを感じる部分をへこませた中敷きを選ぶ方法もあります。それでも痛みがあれば消炎鎮痛剤を使います。ステロイド注射は使用回数が増えると腱そのものが傷むのでお勧めはしていません。最近は体外衝撃波を当てる治療法も保険適用となりました。

耐えられないほどの強い痛みがあれば手術をしますが、スポーツ選手のように酷使しなければそれほど強い痛みが出ることはなく、数カ月で治まる方もいます。まずは運動の前後はもちろん、日頃からストレッチをすることを心掛けましょう。

遠州病院 TEL.053-453-1111(代)