健康

漢方に聞くその14

疲れを残さない夏バテの対処法とは?

(2015年8月27日号掲載)

暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)、寒邪(かんじゃ)が影響

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

蒸し暑い夏は、暑邪と湿邪があふれる季節です。暑邪が体に侵入すると大量に発汗するため、体に役立つ水分である津液(しんえき)を消耗し倦怠感が出現します。また、湿邪が侵入すると胃腸の機能は低下し、食欲不振、下痢、倦怠感などが現れます。

暑いとつい冷房の中で生活してしまいますが、冷房からは寒邪がやってきて体に侵入しようとします。また冷たい飲食物を摂る機会も増えるため、胃腸が冷えることも多くなります。

もともと胃腸が弱い体質の人は、夏の蒸し暑さ、冷房や冷飲食で、容易に胃腸の機能が低下します。すると、気血のもとになる物質の吸収が低下するため、気血は巡りにくくなり全身の倦怠感が生まれます。

さらに過労、睡眠不足は胃腸の機能の悪化に拍車をかけます。夏バテを防ぐには、夏の邪気、冷房、冷飲食に負けない体であればよいのですが、みんながそのような体でいることはできません。

津液と胃腸の働きが大切

夏バテの三大要素」

夏バテは、津液の減少、胃腸の機能低下が主な原因になっています。津液を補うためには水だけでなく、キュウリ、トマト、スイカ、メロンなどの夏の野菜・果物を適量摂るのがよいと考えられています。

胃腸の機能を守るためには、過剰な水分摂取は避け、冷房で極端に体を冷やすことは避けましょう。また、冷たい飲食物を摂りすぎないことも重要です。これらのことは胃腸が弱い人は特に注意しなければいけません。冷房で寒ければ、腹巻、ひざ掛けも利用すべきです。最近の日本の暑さでは、熱中症を心配するために水分摂取はどうしても過剰になりがちです。水分摂取の問題は今後も考えていく必要があります。

夏バテにしばしばつかわれる漢方薬もありますが、津液を補い、胃腸機能を改善することが主な働きです。必要な人はそのような漢方薬を内服することも役立ちます。