健康

漢方に聞くその15

秋の体調不良?その原因は?

(2015年9月3日号掲載)

秋は「陰」の季節

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

まだ暑さは残っていますが、これから季節は秋を経て、冬へと向かっていきます。東洋医学の基本概念に「陰陽(いんよう)」があります。この概念は全宇宙を貫くものと考えられ、四季も陰陽で考えることができます。「陰」は静的、暗く冷たいイメージ、「陽」は動的、明るく温かいイメージとして示されます。

春と夏は「陽」に属し、秋と冬は「陰」に属します。夏から秋への変化、つまり「陽」から「陰」への移行はとても大きな変化です。人の心と体も大きな影響を受けます。その変化に対応できないと不調を感じることになります。大きなストレスや夏バテが続くと不調が起こりやすくなります。心は努めて平静に、体も無理せず、休める必要があります。

また、冬から春に向かうのも「陰」から「陽」の大きな変化であり、不調を訴えやすい時期といえます。

「肺」の働きも衰えがちに

秋は「乾燥」の季節

東洋医学では、秋は「肺」と強い関連があるとされています。東洋医学のおける「肺」は鼻、皮膚や大腸をつかさどり、体を防衛する役目を担っていると考えられています。陰の季節になると、その働きは低下していきます。

また、秋の大気は徐々に冷たくなり、乾燥していきます。冷たく、乾燥した大気は肺に影響を与え、その機能をさらに低下させるので、呼吸器のトラブルが起きやすくなります。そのため「肺」を潤したり、元気にする食べ物を摂ることは重要です。肺を潤す食べ物にはリンゴ、ゴマ、ビワなどがあり、肺を元気にする食べ物には、もち米、長芋、かぼちゃなどがあります。

「肺」は「憂い」という感情とも強く関連します。物悲しい秋の季節ですが、この「憂い」が強すぎると「肺」の機能が低下します。やはり心の平静は大切です。

秋は夏の次にやってきます。夏の季節、生活が秋に影響を与えます。夏の生活を思い返しながら秋の到来に備えましょう。