健康

漢方に聞くその17

胃もたれや胸やけはなぜ起こるの?

(2015年9月17日号掲載)

胃は食べ物を下向きに運ぶ

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

食欲の秋ですが、胃腸の調子はいかがでしょうか。これまでお話ししてきたように、体の調子は消化機能と密接に関わっています。ここで消化機能を東洋医学的に見てみましょう。

消化機能の中心は脾(ひ)と胃です。ひとまとめにして脾胃と呼ばれることが多いです。脾臓は現代医学では、古い赤血球の破壊や免疫に関連すると考えられていますが、漢方では西洋医学が日本に入ってくる前から消化機能を担当する中心の臓器でした。ただし、現代では消化機能を表す概念だと考えた方がよいでしょう。脾には吸収したものを全身に運び、肺に送り、気の生成に関わるなどエネルギーを作る際に重要な働きがあります。

胃の機能が失調するとどうなるでしょう。胃は食物を受け止め、消化しつつ小腸に送ります。つまり胃は下向きに作用するのです。

ところが、胃の調子が悪くなると、この方向が変わってしまい、下向きに働かなくなります。停滞すれば胃もたれ、上向きになれば、げっぷ、胸やけ、嘔吐になります。
この上向きの力が頭に働くとめまい、頭痛を引き起こすこともあります。胃腸の不調がめまい、頭痛の原因となるのは珍しいことではありません。

良いもの(気)は上に、悪いもの(老廃物)は下に行く

胃の働きを低下させるものは、いろいろあります。胃腸虚弱のある人はちょっとしたことで胃の不調を訴えます。冷えや精神的なストレス、胃の負担になる食べ物や食べ過ぎなども原因の一つです。おいしいものが多いからといって、食べ過ぎたり飲み過ぎたりしていれば胃腸への負担が増す一方です。

脂や砂糖の摂りすぎは脾胃に負担が

脂っこいものや砂糖の摂りすぎは胃によくないとされます。その他、生もの、冷たいもの、塩辛いもの、とても辛いものなども摂りすぎない方がよいと考えられています。食欲の秋だからこそ、自分の体調に合わせた食事法(食養生)を心がけてみませんか。