健康

漢方に聞くその18

舌のコケ茶色くなっていませんか?

(2015年10月1日号掲載)

体に溜まった不要な水は「痰(たん)」に

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

食欲の秋ということで、前回は食養生についてのお話をしました。今回はお酒の話をしましょう。以前にもお話しましたが、水分の代謝には主に肺、脾(胃腸など)、腎が働きます。

お酒を大量に飲んだり、胃腸に負担がかかる飲み方をしたりすると、体の中に余分な水が溜まります。特に胃腸虚弱がある人はなりがちです。東洋医学では、体内の気・血・水がスムーズに巡っていることが必要です。滞っている水は体にとって不用であるばかりか、むしろ有害になります。

滞った水はさらさらしていると「飲(いん)」と呼ばれ、粘り気のある状態に変化すると「痰(たん)」と呼ばれます。痰と飲は区別が難しいことも多いので、合わせて「痰飲(たんいん)」と呼ばれることが多いです。

痰と聞くと、カゼをひいた時などに気道から出る分泌物を思い浮かべる人が多いと思います。東洋医学で言う「痰」は、狭義には気道分泌物ですが、広義には体内にあるすべてのネバネバした液体のことを指します。痰は胃腸に溜まると、胃腸の機能を失調させます。

コケの変色は飲みすぎのサインかも

東洋医学では舌を診察しますが、舌のコケ(東洋医学では「苔」と書きます)の評価は重要です。舌は健康のバロメーターで、小さな子どもの舌のようなきれいな状態が理想です。コケは色々な原因で変化しますが、飲み過ぎによる痰も原因になります。厚くて、べったりとしていることもあります。

飲み過ぎで現れる症状

また痰は放っておくと熱が発生します。それに伴い舌のコケは黄色、茶色に変化していきます。発生した熱は身体各所に影響を与えて、体調不良を引き起こすことがあります。

今の季節、飲酒の機会が多いと思います。冷え症の人はビールで胃腸を冷やさないようにしましょう。また飲み過ぎて痰を溜めないようにしましょう。ストレスがあると、それだけで胃腸の調子が悪くなることがあります。嫌なことがあったからといって「やけ酒」を続ければ、体調不良の悪循環に陥ることもあります。
次回はストレスについて考えてみます。