健康

漢方に聞くその21

意外と多い太っているのに胃腸虚弱の人

(2015年11月5日号掲載)

脂肪も痰の一種

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

以前、水分の代謝が悪くなると、痰が体内に溜まるというお話をしました。痰は気道から分泌されるものだけでなく、ネバネバした液体全般を指します。東洋医学では、脂肪も痰の一種と考えています。

皆さんは「五臓六腑」という言葉を聞いたことがあると思います。五臓とは心・肺・肝・脾・腎の五つの臓器のこと。六腑はそれらと関連するもので、胆・胃・小腸・大腸・膀胱・三焦の六つを指します(図参照)。

食べ物を消化吸収する機能は五臓の「脾」と六腑の「胃」が主に受け持ちます。胃は食物を受け取って消化し、脾は栄養吸収して肺に運びます。肺は栄養を全身に送る役割があります。

五臓と六腑は表裏一体

脾が栄養を送れず下痢に

世の中には、太っていて食べ物をたくさん食べられるにも関わらず、下痢をしやすいなど胃腸虚弱の症状を示す人がいます。これは胃の働きはそれほど低下していないものの、脾の機能(栄養を肺に送る働き)が衰えている場合に起こります。つまり、食欲があって食べることはできても、脾から肺へ栄養を送ることができずに体内に溜まってしまうということです。

溜まった栄養は痰、つまり脂肪になります。また、栄養を脾から肺に運び上げる力が出せないため、脾の働きは下向きになりやすく、下痢の症状も起こります。痰(脂肪)は気血の巡りを不調にさせるので、いろいろな症状が出ることもあります。

食べ物が少なかった時代であれば、「体格がいい」ということは健康の証でした。ですが、現在は飽食の時代で、誰でも過剰に栄養を取ることができます。暴飲暴食・夜更かし、過労などを控え、痰が溜まらないような生活を送ることが大切です。