健康

漢方に聞くその22

東洋医学に「更年期障害」はない?

(2015年11月19日号掲載)

頭痛や不眠…症状はさまざま

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

女性の閉経年齢は50歳前後で、この前後5年間、合わせて10年間は更年期と呼ばれます。更年期になるとさまざまな症状が起こりやすくなり、日常生活で支障が出る場合は「更年期障害」と呼ばれています。

更年期障害の代表的な症状はホットフラッシュ(顔のほてり、のぼせ、多量の発汗など)が有名です。そのほか抑うつ、イライラ、頭痛、不眠などの精神神経症状、それ以外の関節症状、食欲不振、皮膚乾燥感などもあります。ただし、前述の症状はすべてが起こるわけではありません。

これらの症状は不定愁訴(ふていしゅうそ)と呼ばれています。不定愁訴とは、検査をしても異常がないのに、体調不良を感じる状態のこと。人によっては、皮膚の上をアリがはっているような感覚に見舞われることもあります。

西洋医学の治療では、ホットフラッシュにはホルモン補充療法、精神神経症状には精神科で使用される薬剤などが用いられます。西洋医学でも特定の漢方薬が用いられることがあります。


人に合わせて治療する

更年期の症状は、老化に伴う「腎」の変化とともにいくつかの臓器の働きが低下し、気血の巡りが悪化することで起こります。その人の体質、過去から現在までの病気や家庭、社会的な背景などが関わるため、人により症状は異なります。

更年期障害の主な症状

東洋医学では「人は異なるもの」であるという前提があるため、各人に合わせて治療を行います。更年期障害だからといって特別な治療は行いません。不定愁訴と呼ばれる症状であっても、東洋医学的には原因を説明できることが多いのです。むしろ更年期の症状は多彩であるため、更年期障害であることを気づかない女性も多いと考えられます。

女性にとっては、更年期は老年期に向かう一時期であり、誰にも訪れるものです。その時期の女性を支えるのに東洋医学は有用だと考えます。