健康

漢方に聞くその24

熱がある時は冷やす?それとも温める?

(2015年12月10日号掲載)

暖かくてもカゼになる

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

寒い季節、うがいや手あらいなどカゼの予防に気を配る人も多いと思います。ところで、カゼは「風邪」とも書きますが、この言葉は漢方用語でもあるということをご存じでしょうか。漢方では体に害を与えるものを邪(じゃ)と呼び、自然界には風・寒・暑・湿・燥・火(熱)の6つの邪があると考えています。風(ふう)は空気の動きであり、それ自体が邪ですが、他の邪と結びつきやすい性質があります。

冬のカゼに多いのは風邪(ふうじゃ)が寒邪(かんじゃ)と結びついた風寒邪です。風に運ばれた寒邪が体表に取り付くと悪寒が起こります。体表に取り付いた時に治すようにしないと、寒邪は体の中に侵入していきます。

ただし近年は、暖房からの熱邪(というより温邪)、燥邪も風邪とともに人を襲います。暖かいのにカゼをひくこともあるのです。邪の種類により治療法は異なります。

体温計に頼り過ぎない

皆さんはカゼをひいた時、体を冷やすべきか、温めるべきか迷うことはありませんか?例えば風寒邪に襲われ悪寒がしたとき、体温計で体温の上昇があることが分かったとします。この時、「体温の上昇があるから冷やす」と考えては逆効果になります。

体温が高いのに寒気を感じる!
こんな時、どうする?

カゼで寒気を感じている人は体を温める必要があります。逆に熱いと感じている人は冷やします。体温計の数字は関係ないのです。また、カゼは1~2日目の初期と、一週間を過ぎてからの時期とでは症状も違えば治療も異なります。

西洋医学では、体温計の数値が高ければ体温を下げる治療をします。温めるという発想はあまりありません。漢方医学との大きな違いです。カゼに限らず体の養生には寒熱の自覚が大切です。体温計の数字にとらわれ過ぎるのはよくありません。