健康

漢方に聞く その27

冬になると体が痛むのはなぜ?

(2016年1月21日号掲載)

気血の巡りが大きく影響

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

「冬になると体に痛みを感じる」という人はいませんか。患者さんの中には関節痛、神経痛などを寒い時季に訴える方が大勢います。帯状疱疹(たいじょうほうしん)後神経痛も冷えで悪化する方が多いと思います。

漢方では、これらの痛みは気血の巡りが悪化することで起こると考えています。これまでお話してきたように、気は体の機能を維持するためのエネルギーであり、血は体内に栄養を運ぶ大切なものです。冬季に起こりやすい痛みは、寒邪(かんじゃ)や湿邪(しつじゃ)が体に侵入し、気血の流れを悪化させることによって生じます。関節は皮膚と同じように体表と考えます。そのため寒邪、湿邪の影響を受けやすいといえます。また関節には水がたまりやすく、その水は気血の巡りを悪化させます。

体の痛みを軽減させるためには、気血の巡りを整える必要があります。そのため冬季に起こる痛みの場合には、体を温めることが重要となります。

冷えを自覚しよう

寒い季節は、お風呂に入ると痛みが軽減することをしばしば経験します。これは単に温かいからというだけでなく、滞っていた気血の巡りがよくなるという理由があるからです。

痛みを改善するためには、入浴や適切な運動、冷たい食べ物は避けるなど、日常生活の中で体を冷やさないようにして、巡りをよくする工夫を取り入れていくことが大切です。ストレスや過労、睡眠不足なども気血の巡りを悪化させる原因となるので気を付けたいところです。

現代は冷え症の人が多いため、気血の巡りが滞りやすい体質の方が大勢いると考えられます。「自分は冷え症ではない」と思っていても、寒い季節に体の痛みを感じるようであれば冷え症を疑ってみるべきです。特に男性の場合は、自分の冷えを自覚していない人が多いため、自分の体質について今一度振り返ってみることが大切です。