健康

漢方に聞く その28

なぜ月経前後に体調が悪くなるの?

(2016年1月28日号掲載)

気血の巡りが月経前に悪化

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

月経前に腹痛や頭痛、めまい、イライラ、便秘、下痢などの不調が表れる女性は多くいます。これらは気血の巡りが滞るために起こります。

女性の体は、排卵から月経の時期に向かって血の巡りが悪化していきます。そのピークで出血、つまり月経が起こります。血は気とともに巡るため、どちらかの巡りが悪くなれば、もう片方の巡りも悪くなります。月経が始まれば血が巡り、気も巡るようになります。これを1カ月のサイクルで繰り返しているのが女性の体なのです。

そのため月経前で気血の巡りが十分でない時に、冷えやストレス、暴飲暴食、睡眠不足などがあると、気血の巡りはさらに悪化します。冷え症の人は体を冷やさないように防寒に努めましょう。ストレスもなるべく避けるようにしたいものです。

気血の量が足りない場合も

一方で、月経前ではなく、月経中から月経後に体調が悪くなる女性もいます。これは気血の量が少ないために起こると考えられます。月経によって体内から血が失われることで、体に必要な気血が足りなくなるというわけです。

例えば生まれつき胃腸が弱い人は、気血を生み出す力が弱いと考えられます。気血の不足が生じれば、気血の巡りが悪くなっているというパターンがあります。

また、胃腸が弱い人は体の抵抗力が低下していることがあります。出血時はさらに抵抗力が下がるため、寒邪が容易に体に侵入してきます。寒邪によって気血の巡りが不調になり、月経痛が悪化することもあります。これらの場合は、胃腸を丈夫すると症状は改善します。また、暴飲暴食を避け、砂糖や油を控えるなど、胃腸に負担をかけない食事も大切になります。

更年期(閉経前後5年間)になると、成長・発育・老化をつかさどる腎の衰えとともに月経は終わります。女性にとって長い付き合いとなる月経ですが、自分の体質を知ることで、月経を快適に過ごすことができるかもしれません。