健康

漢方に聞く その29

体の潤い、足りていますか?

(2016年2月4日号掲載)

現代人は乾いている

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

近年、潤いが少ない人が増えてきています。潤いは以前、気・血・水(き・けつ・すい)の巡りのお話で説明した「水(すい)」から主にもたらされるものです。この場合の「水」は体を巡り、体に役立つ水です。津液(しんえき)といわれることもあります。

身体の乾燥は「水」の不足、津液不足ということになります。巡らない水は体に悪影響を与えるものになります。単純に水をたくさん飲めば、潤いが回復するわけではありません。

大人はもちろんですが、近年は子どもでも体が乾燥している患者さんが多く見られます。理由はさまざまですが、現代の生活環境は大きな要因の一つでしょう。子どもの場合は、両親の体質も大きく影響していると考えられます。

患者さんの中には、自分が乾燥していることに気づいていない場合が多く見られます。例えば「いつも水を飲みたい感じがする」「目が乾く」といった方は体の潤いが不足している可能性があります。カゼをひいた後、咳が続いて喉に乾燥感を覚えるときは、肺の潤いが減っている可能性もあります。

潤いが減ると体が熱くなる

体の中では、潤いと熱のバランスがとれていることが大切です。東洋医学では潤いは「陰」、熱は「陽」に分類されます。

潤いが減少して体が乾燥すると、乾燥症状だけでなく、熱感もみられることがあります。これは潤いと熱がバランスを取っていた状態から、潤いだけが減少してしまい、相対的に熱が高進した状態になるためです。

熱は身体上部に溜まりやすいため、上半身の熱感として出現します。上半身は熱いのに下半身は冷えていることも珍しくありません。手足のほてりを感じることもあります。この熱感は体温の上昇とは関係なく起こるのが普通です。

体の上部が熱を帯びるとイライラしやすくなるなど、精神面にも影響が及びます。現代の人間の健康を考える上で、潤いは重要な要素といえるでしょう。