健康

漢方に聞く その30

なぜ?春が来るのに気もちが落ちこむ

(2016年2月11日号掲載)

季節が陰から陽へ変わる

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

まだ寒い時季が続きますが、季節はこれから春へと向かっていきます。一般的に、春は気分がウキウキする季節といわれています。ですが、一方では理由が特にないのに気分が落ち込んで憂鬱になる人も多くいます。同じ季節にも関わらず、なぜ人によって感じ方が違うのでしょうか。

これまでお話してきたように、東洋医学の最も重要なキーワードは「陰陽」です。陽は温かく動的なものの象徴、陰は冷たく静的なものの象徴です。季節に当てはめると春夏は「陽」の季節、秋冬は「陰」の季節となります。

今の時季は冬から春へと移り変わる季節、つまり陰と陽が入れ替わる時です。陰陽のバランスの変化は、人間の体にも大きな影響を与えます。静から動に移行する時に、体の気も伸びやかに動かなければなりません。陰と陽の入れ替わりに対応できないと、体内の気の巡りが滞り、体調を崩したり気持ちが落ち込んだりします。反対に気の巡りが過剰になることで、気分が高揚しすぎる人もいます。

春は一番寒い時季から始まる

普通、私たちは気候が暖かくなると「春が来た」と感じます。しかし、実際は最も寒さが厳しくなった時季が、春の始まりとなります。寒さがピークに達したということは、後は次第に弱まることを意味するからです。そのため、早い人では2月から不調になる患者さんもいます。

これからは卒業や進学、就職などの身の回りの環境に大きな変化が起こる時期です。もともと気の巡りが悪いタイプの人は、特に季節の影響を受けやすい傾向にあるので、自分の体質を理解することが大切です。自分が季節の影響を絶えず受けていることを自覚しながら日々の生活を送りましょう。