健康

格言で学ぶ漢方-1

病は気から

(2016年4月7日号掲載)

気・血・水が健康を守る

玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

今回から、漢方由来の格言に学びながら、健康的な生活を送る秘けつをシリーズで紹介していきます。みなさんは毎日元気ですか?人間ですから、日によっては「今日は何となく体調が悪い」ということもあるのではないでしょうか。

体の具合が悪ければ、病院へ行って診てもらうのが普通です。しかし、病院へ行って検査をしてもらっても、特に体の異常が見られないと言われることがよくあります。目で見て分かる症状や、検査値に異常がなければ、原因を特定することはできません。症状自体が重いものでなければ「気のせい」で片づけられてしまうかもしれません。

私たちは普段、「気のせい」という言葉を「単なる思い過ごし」という意味で使っています。しかし、東洋医学の考え方は違います。東洋医学では「気」を人間の生命活動を担う目に見えないエネルギーとしてとらえています。「気」は絶えず体の中を巡っていて、この流れが滞ると体に不調が現れると考えています。

「気」のメカニズムは電気に例えると分かりやすいです。電気は通常、目には見えませんね。ですが、身の回りの電化製品は、電気がうまく流れないと本来の機能が発揮できません。電気が完全に流れなくなると、機械の動き自体が止まってしまいます。

エネルギーの根源である「気」は、体に栄養を運ぶ赤い液体である「血(けつ)」、体に潤いを与える透明な液体「水(すい)」とともに体の中を巡っています。ところが気・血・水の巡りは、ストレスや生活習慣の悪化によって滞りがちです。漢方の治療では、これらが滞りなく巡るように、その人の体質や状態に合った漢方薬を処方していきます。

つまり検査結果に異常がなく、「気のせい」と診断されるタイプの体調不良は、漢方の治療で改善できる可能性が高いということです。「病は気から」という格言は、まさに漢方の基本を表す言葉なのです。