健康

格言で学ぶ漢方-13

心(しん)は熱を悪(にく)む

(2016年8月11日号掲載)

汗のかきすぎは体に良くない?

体の水不足から熱を感じることも
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

前回、熱は体の上部に溜まりやすいというお話をしました。夏は1年の中で最も暑い季節です。「心は熱を悪む」という言葉は、五臓のうちの「心」は熱を嫌うことを意味します。

「五臓六腑」の回で解説しましたが、漢方では人間の生理機能を肝・心・脾・肺・腎の5つの臓器に分類して考えています(4/14号参照)。「心」は、西洋医学で考える心臓よりも役割の幅が広く、意識や精神をつかさどり、血の生成と運行を担うとされています。「心」は五行では「火」に属します。夏の陽気は「心」に悪影響を与える可能性があります。また、汗は「心」の液といわれており、発汗と「心」も大きな関係があります。

人間の体は陰と陽がバランスを取りながら健康な体を維持しています。陰は冷たく、静的なものの象徴。陽は熱く、動的なものの象徴です。体の水が消耗するということは、体内の陰が減るということです。陰が不足すると、体内の陽が相対的に高進するため、体に熱を感じるようになります。

汗をかくことは、何となく健康にいいイメージがあります。例えばサウナやホットヨガは、汗をかくことで血行を良くし、ダイエットなどにも効果があるといわれます。

もちろん体に負担がかからない程度の発汗であれば問題はありません。ですが、体が弱い人が大量に発汗すると、体調を崩してしまうこともあります。「健康のため」と頭で考えてしまい、無理に汗をかいて体の潤いを消耗してしまう人も少なくありません。

大切なのは、自分が気持良く汗をかけているかどうかです。世間では健康に良いといわれているものも、自分に合っているとは限りません。自分の体質を知り、夏は体の水の消耗に気をつけることが大切です。