健康

格言で学ぶ漢方-20

秋の病は肺にあり

(2016年11月10日号掲載)

あなたの咳、乾燥していませんか?

目や鼻、のどの渇きに気付こう
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

秋は乾燥の季節です。「この時季になると、咳が出始める」という人も多いのではないでしょうか。空気の乾燥が原因で起こる咳は、五臓の中の「肺」が失調することによって起こります。

漢方で考える肺は呼吸機能だけでなく、体内の水を調節したり、気を巡らせたりする役割を持ちます。皮膚とも関係していて、イメージとしては体の表面で外敵を食い止めるバリアのような働きを持っています。

肺は潤っている状態が正常で、乾燥に敏感です。乾燥による害を生じさせるものを、漢方では「燥邪(そうじゃ)」といいます。肺が燥邪の影響を受けると、肺の正しい機能に異常が生じて、咳が出たり、皮膚がカサカサになったりします。

燥邪が原因で起こる咳は、あまり痰が出ません。なぜなら、痰は体に残った余分な水分だからです。今の季節に咳が止まらない人は、目や鼻、のどが渇いていないか、自分の体調を振り返ってみるといいでしょう。乾いた咳が出る場合は、体が乾燥しているサインかもしれません。

診療所に来る患者さんを診ていると、乾燥している人が年々増えているように感じます。患者さんの中には普段から水筒を持ち歩いて、こまめに水を飲んでいるという人がたくさんいます。悪いことではありませんが、すぐに水を飲みたがる人は口の中が乾燥している可能性があります。そういった患者さんの中には、自分の口が乾燥していることを自覚していない人も大勢います。

「口腔乾燥」は味覚にも大きな影響を及ぼします。詳しくは次回、お話しします。