健康

格言で学ぶ漢方-22

爪は筋(すじ)の余り

(2016年11月24日号掲載)

血が足りないと、爪が割れやすくなる。

保湿剤を正しく使えていますか?
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

秋は乾燥肌が気になる季節です。前々回、「燥邪」は肺に悪い影響を与えるという話をしました。漢方で考える肺は、呼吸器だけでなく、皮膚の働きもつかさどります。そのため、体が燥邪の影響を受けると、皮膚の潤いが減り、細かくひび割れるなどの症状が現れます。

乾燥肌の治療法として、保湿剤などの塗り薬は有効です。ただ、保湿剤は必ずしも潤いを皮膚に与えるものばかりではありません。入浴直後に塗った方がよい保湿剤もあり、使い方をよく知っておく必要があります。

医療用でよく使われている保湿剤の一つには、お風呂から出て、まだ潤いが皮膚に残っている状態で塗るのが正しい使い方のものがあります。入浴で得た潤いは、お風呂から出て5分で急速に減るといわれています。入浴後、すぐに塗らないと、あまり効果を期待することはできません。

また、今の季節は爪が割れやすくなる人が多くいます。皮膚は乾燥していないのに、爪だけが割れるという場合は、体内の血(けつ)や水(すい)といった潤いが不足している可能性があります。

東洋医学には「爪は筋の余り」や「爪は血の余り」という表現があります。体の筋は血によって柔軟性を保ちます。ですから、どちらの格言も爪は血と大きな関わりがあることを示しています。実際、爪が割れやすい患者さんに、血を補う薬を出すとすぐに良くなる場合があります。

女性は月経の影響もあり、血が不足しやすい体質の方が大勢います。秋は体の外だけでなく、体内の乾燥にも気を配りましょう。