健康

格言で学ぶ漢方-23

風邪は万病の元

(2016年12月1日号掲載)

冬は体を冷やし過ぎず、温め過ぎず。

寒邪は体表から消化器に向かう
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

気温が下がり、カゼをひきやすい季節がやってきました。カゼは漢字で「風邪」と書きますが、漢方ではこれを「ふうじゃ」と呼びます。風邪は、風が邪気となって体に悪影響を及ぼすことを意味します。

風邪は他の邪と結びつきやすい性質があります。冬は寒さによる寒邪と結びつき、風寒邪となって体表から体内深部(消化管)に向かって侵入しようとします。

風寒邪がどこまで体内に侵入したかで症状は異なります。風邪のひき初めに、ゾクゾクとした寒気を感じたことがある人も多いと思います。この場合、皮膚に風寒邪がやってきていると考えます。抵抗力がないと体内に侵入し、食欲不振や吐き気、下痢などの症状に見舞われます。

気温が下がる季節だからといって、風寒邪だけに気を付けていればいいわけではありません。現代は暖房設備を備えた施設が多いため、風が熱邪(ねつじゃ)や温邪(おんじゃ)と結びついた風熱邪(ふうねつじゃ)、風温邪(ふうおんじゃ)にも注意が必要です。

風熱邪、風温邪は、のどに影響を与えやすい邪です。「寒気は感じないのに、のどが腫れて痛い」といった症状の場合は、風熱邪・風温邪が原因かもしれません。体質的に体の上半身に熱がたまっている人は、風熱邪・風温邪により熱の症状が悪化する可能性があります。

漢方の治療は、寒さを感じている人は温め、暑さを感じている人は冷やすのが基本です。暑さ・寒さの感じ方は人によって違いますから、上半身だけが熱かったり、下半身だけが冷たかったりする場合もあります。今、自分の体は冷え過ぎたり、温まり過ぎたりしていないか、見直してみてください。