健康

格言で学ぶ漢方-24

太陽病

(2016年12月22日号掲載)

カゼのひき始めに、気付いていますか?

葛根湯は肩こりにも効く
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

カゼはひき始めに治すのが肝心といわれます。ですが、カゼの初期症状は案外気づきにくく、自覚したときには病状が進行している場合がよくあります。

漢方では、病は時間の経過とともに変化するという考え方があります。風寒邪(ふうかんじゃ)によるカゼの初期症状は「太陽病」といわれ、頭痛、首の後ろのこわばり、寒気といった症状が代表例です。

太陽病で見られるこれらの症状は、体表に取りついた風寒邪が、背部や首の後ろにある気の通路を妨げるために起こります。

太陽病を治療する代表的な漢方薬の一つに「葛根湯(かっこんとう)」があります。葛根湯には体を温めて発汗をうながす作用があり、これが皮膚にとりついた邪を追い払います。ただし、すでに汗がたくさん出ている人や、発汗によって体調を崩してしまう人には使えません。

体表にある邪は時間が経つと、体の中に侵入してくるため発汗法が使えなくなります。ですから、葛根湯が使える期間は長くても数日以内です。1週間続けて使うということはありません。

葛根湯は一般の方でも手に入りやすい漢方薬の一つですが、使用するタイミングや量を見極めるのには知識や経験が必要といえます。

葛根湯は肩こりにも効果的です。葛根は潤いを補い、筋肉の緊張をゆるめる働きがあるからです。そのほか、発汗させたり、下痢を改善したりと、正しく使えば葛根湯はさまざまな効果を発揮します。