健康

格言で学ぶ漢方-26

冬の病は腎にあり

(2017年1月19日号掲載)

冬は無理せず体力を温存しよう。

親から受け継いだ体質を知る
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

漢方で考える「五臓」とは、肝・心・脾・肺・腎の5つです。このうち、冬の季節は「腎」の養生を特に心がけるべきという教えがあります。

漢方の重要な考え方として、「陰陽」とともに「五行」があります。これは「五」という数字を軸に、さまざまな物事を考えていく方法です。先述の「五臓」はもちろん、1年も春・夏・長夏・秋・冬の「五季」に分けて考えます。長夏とは、中国で秋に入る前に訪れる雨の季節のことで、日本の梅雨のようなものです。

この「五季」と「五臓」はそれぞれ対応していて、冬は腎の季節となります(図参照)。西洋医学で考える腎と漢方で考える腎は、似たところもありますが、異なるところもあります。漢方では、親から譲り受けた生命エネルギーを蓄えておくのも腎の働きの一つとして考えます。

例えるならば、植物の球根のようなイメージです。球根には、これから植物が成長していくための栄養がたっぷりと蓄えられています。昔の人は腎に生命活動の元になるものが閉じ込められていると考えたのです。

多くの植物は冬の間、地面の下で春を待ちます。これと同じように、人間も冬の季節は体力をいたずらに消耗せず、じっとしているのが自然に沿った生き方といえます。

日の出とともにゆっくりと起き、日が沈んだら眠るのが養生の基本。食べ過ぎ・飲み過ぎや過度の運動は、体力を消耗させるので気を付けましょう。体に負担をかけ続けると、老化を早めることになりかねません。

また、自分の先天的な体質を知っておくことも大事です。両親と自分自身の体質を比べてみて、受け継いでいるものがないかチェックしてみるのもいいでしょう。親からもらったエネルギーを大切にして、春に備えましょう。