健康

女性のための漢方講座 「のどの渇き」編

(2017年6月1日号掲載)

水を飲んでものどの渇きが治まらない。

体の潤い不足かも
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

気温が高くなると、水分をたくさん飲む機会が増えると思います。しかし、必要以上に水を飲んでしまうと、体を冷やしてしまうことになりかねません。口やのどが渇いている人は、ついつい水分を摂りすぎてしまう傾向にあるので注意が必要です。

世の中には、自分ののどが渇いていることに気が付いていない人も大勢います。診療所に訪れる患者さんに「のどは渇いていませんか」と尋ねると、多くの人が「渇いていない」と答えます。

そういった方の中でも、口を潤す程度の少量の水を何度も飲んでいたり、ペットボトルや水筒を常に身近に置いていたりする人がたくさんいます。このような人はこまめに水分を摂っているため、のどの渇きがあったとしても、その渇きは癒されているために「のどは渇いていない」と答えているのかもしれません。

口やのどの渇きがある人は、何らかの理由で体の潤いが失われていると考えられます。体の中に高い熱があると潤いは失われますが、熱とは無関係に潤いが失われることもあります。意外と多いのは体質的に潤いが減っている人です。潤いが減ると、実は熱が発生することがあります。このような状況は「陰虚」といいます。

のどの渇きを伴う陰虚を改善する代表的な漢方薬に、麦門冬湯などがあります。麦門冬湯は咳止めとして有名な漢方薬です。肺に陰を補充することで、のどを潤し、せきを止める効果があるからです。

いつもガムや飴を口に入れていないと落ち着かないという人も、のどが渇いている可能性があります。また、年齢が上に行けば行くほど、体は乾きやすくなります。陰は単に水分を摂れば補充できるわけではなく、食事が重要です。とは言っても、なかなか難しく、漢方薬が役立ちます。