健康

女性のための漢方講座「眼精疲労」編

(2017年6月8日号掲載)

どうして?目が疲れるとイライラする。

肝の血が失われている
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

パソコンやスマートフォンが普及した現代は、多くの人が目を酷使しています。目に負担をかけ過ぎると、眼精疲労やドライアイの原因になることは言うまでもないでしょう。中には「外がまぶしくて目が開けられない」といった症状を訴える患者さんもいます。

漢方では心身の機能を五臓六腑、特に五臓(肝・心・脾・肺・腎)に関連付けて説明します。このうち、目は「肝」と深いつながりがあるとされ、目を酷使すると肝血(かんけつ)を消耗します。血(けつ)が減るということは、目の栄養が失われ、何らかのトラブルが起こりやすくなるということです。

そもそも「肝」は、気血(きけつ)の巡りをコントロールする役割を持つ臓です。肝の血の減少やストレスが続くと、気血の巡りが滞り、気分が落ち込んだりイライラしたりします。夜中にテレビやゲームの画面を見続けて目を酷使している人は、肝血が減少している可能性があります。

肝血を補う漢方薬は、四物湯(しもつとう)や十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などたくさんあります。全身に倦怠感がある場合は、気と血の両方を補う十全大補湯を使います。この薬は「十全(完全)に大きく補う」という名の通り、体力の衰えを改善する効果があります。

ドライアイの場合、肝血だけでなく、津液も失われている可能性があります。その場合は、前回紹介した麦門冬湯(ばくもんどうとう)が役立つかもしれません。

子どもは特に肝の働きが活発で、時に過剰になり過ぎる時があります。そんな子どもがゲームやスマホで目を酷使すれば、さらに気血のコントロールが難しくなります。イライラしやすくなったり、キレやすくなったりするかもしれません。一つのものを凝視せず、適度に目を休めるように心がけましょう。