健康

女性のための漢方講座「手汗」編

(2017年8月31日号掲載)

手が汗でべっとり、気持ち悪い!

皮がむけてボロボロに
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

暑い夏は、体から出る汗に悩まされている患者さんが増える時季です。特に暑がりの人は「夏になると汗が大量に出るから嫌だ」という人もいるでしょう。ところで、汗は汗でも、手のひらの汗で悩む人もいます。今回は「手汗」をテーマに改善法を考えてみましょう。

手汗は、精神的な緊張状態から起こりやすいといわれています。これは足の裏の汗にも言えることです。汗の量は人それぞれで、手のひらが湿っているだけでなく、汗が溜まっている人もいます。手は冷たいのに、汗が出てくるというパターンもあります。

緊張が原因で起こる手汗には、それをほぐす漢方薬を処方します。薬によって自律神経を安定させ、手汗が起こる原因そのものを取り除くのです。この場合の代表的な漢方薬は四逆散(しぎゃくさん)です。気を巡らせて、精神不安や神経症などを和らげる効果がある薬です。

また、手の汗が多くなると、汗が手のひらや指の皮膚の下に溜まって、小さな水ぶくれとなる場合があります。水ぶくれの周りが赤くなったり、かゆくなったりすることもあります。放っておくと皮膚がダメージを受けやすくなり、洗い物の洗剤の影響などで手の皮がボロボロになる人もいます(ただし、水ぶくれと汗は違うものという説もあります)。

このような症状を抑えたい時も、漢方薬は有効です。水ぶくれを治すには、水滞(体の水の巡りが滞っている状態)を改善する必要があります。体内に水を巡らせる漢方薬の一つには、五苓散(ごれいさん)があります。

このように、手汗を改善する時、原因(精神の緊張)を改善する場合と、症状(水ぶくれ)を改善する場合、2種類のアプローチがあります。これらの治療法を、患者さんの体質を見極めて行うのが漢方の特徴です。