健康

女性のための漢方講座「主婦湿疹」編

(2017年9月7日号掲載)

手が痛くて水仕事ができない。

手湿疹は全身を診て治す
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

前回は「手汗」について取り上げました。同じく、手のトラブルでよく見かけるのが、手湿疹です。通称"主婦湿疹"とも呼ばれ、主婦の方はもちろん、調理師や美容師といった職業の方に多く見られる症状です。原因はさまざまで、刺激となる物質との接触、冷え・乾燥などの季節の影響、体質(アトピーなど)などがあるといわれています。漢方的な原因としてはストレス、緊張があります。

主婦湿疹の代表的な症状は「手の甲や手のひらの赤み」「小さな水ぶくれ」「皮の浅い傷・割れ」などです。主に手が乾燥し、指紋がなくなったり、割れたりする人がいます。一方で赤み、水ぶくれなどが主体になる人もいます。なかなか治らず、長期間悩む人もいます。

治療方法は第一に、原因となっている物質が分かれば、それを避けることです。手の乾燥があれば保湿を行います。赤み、水ぶくれなどがあれば、西洋医学的にはステロイド外用薬を用います。

漢方治療では「患者の体質」と「手の症状」、両者に対する治療を行うのが基本です。例えば、手の赤みが強くて、乾燥があり、体質的に血の巡りが悪い(瘀血(おけつ))場合は、赤みをとり、潤いを補い、血を巡らせる漢方薬を投与します。この場合、赤みは熱と考え、熱を冷ます漢方薬が用いられます。その代表は黄連解毒湯(おうれんげどくとう)です。手に潤いを与える場合は、四物湯(しもつとう)が基本です。血を巡らせるには桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)がよく用いられます。黄連解毒湯と四物湯が一緒になった温清飲(うんせいいん)もあります。

精神的な緊張などで手掌の発汗は増加します。その汗は手の湿疹にも影響を与えることがあります。ストレス、緊張状態がある患者さんで、手のひらが湿っている場合は、気の巡りを改善する漢方薬を使います。例えば、前回紹介した四逆散(しぎゃくさん)を併せて用いることもあります。