健康

女性のための漢方講座「爪の乾燥」編

(2017年10月5日号掲載)

あっ!爪が割れてる!

血の不足を補って
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

前回は秋の乾燥肌について、対処法を紹介しました。今の季節、「爪」も肌と同じぐらい乾燥します。空気が乾燥すると、爪の水分も失われるため、爪の先端が割れたり、欠けたりする症状が現れることがあります。

漢方では爪は肝(かん)と強い結びつきがあります。肝の主な働きは「気血の巡りを調節」「血の貯蔵」「筋肉の動き」の支配などです。また、肝と目はつながっていると考えられています。

爪と肝との関係は、「その華は爪にあり」と表現されます。十分に血を貯蔵した肝の働きが、爪に表われることを指していると思われます。爪は血と水によって潤いが与えられるため、爪の先端まで十分に血が巡らないと割れやすくなるのです。血が不足した状態は血虚(けっきょ)といいます。血虚になる原因は、もともとの体質だったり、胃腸虚弱・過多月経・慢性病が元で起こったりします。

西洋医学の方面からみると、爪の変形はいろいろな病気で起こります。特に、鉄欠乏性貧血で時々見られる「スプーンネイル」は有名です。匙状爪(さじじょうづめ)ともいいますが、爪がまるでスプーンのように、通常とは反対の方向に反り返ってしまう症状です。また、ある種の薬剤で爪の先端が割れることもあります。

日常生活の注意点としては、爪にダメージを与えないことが挙げられます。洗剤などを使った水仕事は、手や爪を乾燥させる原因になるので気を付けましょう。マニキュアの除光液も、爪が荒れる原因の一つなのでご注意を。過度の食事制限も、爪の潤いに悪影響を与えます。バランスのいい食事をとることも、美しい爪を保つためのポイントといえるでしょう。

漢方治療では、四物湯に含まれる、地黄(じおう)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、当帰(とうき)といった生薬を含む漢方薬を用います。十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)も爪の割れに用いられる漢方薬の一つです。