健康

女性のための漢方講座「カゼ」編 -1

(2017年12月7日号掲載)

なんで?カゼが全然治らない。

同じ薬を飲み続けてない?
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

冬が近づき、カゼに気を付けたいシーズンがやってきました。カゼは漢字で書くと「風邪」となりますが、漢方ではこれを「ふうじゃ」と読みます。「邪」とは病気を引き起こすものを言い、今の時期は、寒さによる風寒邪(ふうかんじゃ)がカゼの原因になることが多くなります。

風寒邪はまず体表に取りつき、その後、徐々に体の中に入ってきます。カゼの症状は「邪がどこまで入り込んだか」で決まります。そのため、漢方ではカゼを大きく6つの段階に分け、状態に合わせた漢方薬を処方しています。

風寒邪でおこるカゼの最も初期の状態を「太陽病」といいます。これは風寒邪が体の表面に取りついた状態で、頭痛、悪寒、発熱、項背部痛といったカゼのひき始めの症状が現れます。この段階の症状を抑えるのに使われる漢方薬の一つに、有名な「葛根湯(かっこんとう)」があります。太陽病の治療は、汗をかくことで、体の表面にある邪を追い払うことです。

しかし、風寒邪が体の中に入りこむと、口の渇き、口がまずい、吐き気や食欲低下などを招く「少陽病」、さらに体の奥に入ると、お腹が張り、便秘や発熱などを招く「陽明病」へと進行します。これらの段階になると葛根湯の効き目はありません。少陽病の段階では「小柴胡湯(しょうさいことう)」が代表的な漢方薬です。

さらに症状が悪化すると体力は低下し、元気がなくなり、体も冷えていきます。その程度により「太陰病」「少陰病」と進み、最終的に重篤な状態に至ると「厥陰(けっちん)病」と呼ばれます。

このように一口にカゼといっても、進行段階によって症状や治療法は大きく異なります。葛根湯などは一般の方でも手に入りやすい漢方薬の一つですが、服用するタイミングを間違えると治療が長引くこともあるので注意しましょう。