健康

女性のための漢方講座「頻尿」編

(2018年1月25日号掲載)

う~、トイレ!さっき行ったばかりなのに。

尿の色で体調をチェック
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

冬になるとトイレが近くなる人は多いと思います。漢方では、排尿は「腎」の働きと大きな関わりがあるとされています。「腎」は五臓のうち、体の水分を調整し、成長や老化をつかさどる臓です。腎は生命の根源といえます。

腎は身体各所を機能させたり、温めたりする働きがあります。これらが衰えると、膀胱の働きも衰えます。冬の寒さで腎の温める働きが衰えていると、膀胱も容易に冷えてしまい、尿を膀胱にとどめておく力が低下します。そのため、高齢の方や冷え性の人ほど、寒いと何度もトイレに行きたくなります。

膀胱の冷えには、「全身が冷えている場合」のほか、「上半身が熱く、下半身が冷えている場合」もあります。もともと冷え症の人が、体の潤いを失うと、熱が上半身にこもりがちになります。熱が体の下に降りていかないと、下半身は温まりません。

また、全身にエネルギーや潤い、栄養を運ぶのは気・血・水の役割です。これらの巡りが悪くなると、熱が上半身にこもりやすくなります。ストレスは気の巡りを悪くする要因となります。

冷えによって起こる頻尿は、以上のような原因を見極めて治療を行います。冷えや潤い不足が原因の場合は、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」が代表的です。八味丸(はちみがん)、腎気丸(じんきがん)などいくつかの呼び名があり、潤いを補いつつ、腎を温める作用があります。もちろん、気・血の巡りが悪いときには、それに対応した漢方薬を併用することもあります。

漢方の診療では、患者さんの「尿の色」も治療方針を決める上で大きな手掛かりになります。冷えによる頻尿は、尿の色が無色透明に近くなります。逆に体に熱があるときは、尿は濃い黄色になります。尿の状態も体調を表す立派なサインなのです。