日本三景より美しい眺め シリーズ13「舘山寺町」
浜松市は来年市制100周年を迎えます。そこで、もっとよく浜松を知るために歴史や秘話を紹介していきます。今回取り上げるのは「舘山寺(かんざんじ)町」にまつわる話。俳人が絶賛した話が残っています。 (2010年8月26日号掲載)
松島、天の橋立、厳島は日本を代表する景勝地で、日本三景と呼ばれています。しかし「日本三景より舘山寺のほうが美しい」と言った俳人がいます。名は蝶夢(ちょうむ)、人名辞典にも出てくるほどの人物です。彼は江戸時代中期の俳人で松尾芭蕉を尊敬し、芭蕉関係の書物を多数出版。京都の俳壇では中心的な指導者でした。蝶夢を慕う俳人は多く、弟子の招きで全国各地を訪れて俳諧をつくり指導にあたりました。
浜松は3回訪問。天明6年(1786年)春の末に富士山を見ようと浜松に立ち寄り、入野村の竹村方壷(ほうこ)の案内で浜名湖に遊びました。舞坂(※)、新居、瀬戸、礫島を回り、船は舘山寺へ。寺から舘山の頂に登り四方を見渡すと、奇岩怪石が目に入ってきました。「まるで唐絵を見ているようだ」「江(湖などで陸に入り込んでいる所)といい、山といい、これほど眺めのよい所はほかに見たことがない」と記しており、この話は後に刊行された「遠江記」という本に出ています。
現在、観光客は舘山寺の東にある大草山へロープウエーで上り、展望台からの眺めを楽しみます。しかし、舘山寺のある舘山からの眺めも良く、特に舘山寺サゴーロイヤルホテルのすぐ北にある奇岩怪石は見事です。ぜひここにも立ち寄り、日本三景より素晴らしい眺めを実感してください。なお浜松市立中央図書館にこの付近を描いた精密な銅版画が残されています。
※明治時代、「舞坂」は「舞阪」に表記変更
(協力/浜松市史編さん執筆委員 鈴木正之さん)













