暮らし

笑顔あふれる明日へホップステップスマイル

File3.防災ワークショップ

(2014年10月9日号掲載)

こんな話題をお届けしていきます。
このコーナーでは、子どもの貧困、しつけなど、子どもと家族と地域を繋げる情報をお届けします。

体験が力になる。

防災ワークショップの1シーン。顔なじみの心理士の声掛けで、体験家族の緊張がほぐれた。

地震や暴風雨などによる当面の危険から身を守る避難所。共同生活では自助・共助が大切です。

先月、浜松市発達医療総合福祉センターで、知的障がいや発達障がい、肢体不自由をもつ子とその家族15組42名が一泊二日の避難訓練を体験。医師や心理士らに加え、大学生ボランティアなど60名がサポートしました。

「うちの子、乾パンは初めてだから警戒して食べません」「うちはペースト状でないと飲み込めないんです」
昼食の乾パンにジャムを付けたりスープにひたしたり、親たちは工夫を重ねます。訓練中は電気と水道を制限。日没で暗くなった体育館や、すくった水で流すトイレにはスタッフにも不安感が漂います。

食事と睡眠は精神的な安定に不可欠な要素

夜9時消灯。自閉症スペクトラムをもつ子は環境の変化が苦手ですが、この日は消灯30分で物音一つしない静かな夜が訪れました。ところが早朝4時、一人の子どもが急に泣き出しパニックに。スタッフと別室に移動し、安定を取り戻しましたが小児科医の遠藤雄策さんは実際の避難所での対処を危惧しています。「僕らは想定も対応もできます。でも一般の避難所に専門家がいることは稀。そんな時、周囲の『お手伝いできることはありますか』の一言が、その家族の支えになるでしょう」とアドバイスします。

県西部地域も、障がいのある子のいる地域、高齢者が多い地域、単身者が多い地域など特性はさまざま。地域住民による体験型の避難訓練が「その時」を乗り越える力になるはずです。

取材協力/みらいTALK
みらいTALKとは医師、保健師、臨床心理士、保育士など、子どもに関わる多職種のメンバーで構成される任意団体。障がいの有無や環境に関わらず、地元に住むすべての子どもにとってより良い地域づくりを目指して活動中。 代表/平野浩一(小児科医)