暮らし

笑顔あふれる明日へホップステップスマイル

最終回 中高生の居場所

(2015年3月12日号掲載)

このコーナーは今回が最終回です。
すべての子どもたちが、家族と地域と繋がりを持って暮らしていける社会を、びぶれはこれからも応援します。

信頼できる人の近くで。

のヴぁ公民館は、年齢、国籍、障がいなどを問わず、誰でも利用できる私設公民館。やりたいことを提案したり講座に参加したり、何もしなくても"居ていい"場所です。運営:NPO法人クリエイティブサポートレッツ(浜松市西区入野町8923-4/tel.053-440-3176)

中高生は子どもから大人へと成長する特別な時期。保健師の伊藤智恵子さんは「同じような毎日でも、本人も気付かないうちに心の揺れ幅が大きくなってコントロールできなくなることがある」と、思春期の心を代弁します。今は新たにスタートを切った松本紘輝さん(16歳)も「特別な理由はなかったと思う」と、自分でも理由が分からないまま、中1のころ学校の支援室で過ごしていました。

自宅や学校に居心地の悪さを感じた学生の多くは、友達の家や夜遅くまで営業する店などに居場所を求め始めます。社会には出会い系や脱法ドラッグなど危険な世界があるのも事実。彼らを心配する保健師や臨床心理士、小児科医らが安全な居場所を模索し、「学生は交通手段が限られているから自転車で行ける距離で」「家に帰れない子には食事の提供を」「何もしなくても"居ていい"場所を」など、アイデアを持ち寄ります。

石塚真吾さん(17歳)は「時々、年齢が違う人たちとサッカーをするけど、同じ趣味の人と会うのは楽しい」と、保健師らのアイデアに興味を示します。一方、髙林正悟(16歳)さんからは「知らない場所に一人で行くのは不安」という意見も。

学生たちと保健師らそれぞれにインタビューを続けると、最後には同じ言葉を口にしました。
「大事なのは、そこに信頼できる人がいるかどうか」。

年齢や環境の違う学生や大人も、大切に思っている事は同じです。ならば、相手の話をよく聞き、気持ちを伝え合えば、そこが互いにとって心地よい居場所になるのではないでしょうか。

取材協力/みらいTALK
みらいTALKは医師、保健師、心理士、保育士など、子どもに関わる多職種のメンバーで構成される団体。障がいの有無や環境に関わらず、すべての子どもにとって良い地域づくりを目指して活動中。代表/平野浩一(小児科医)