暮らし

「もったいない」を「ありがとう」につなぐ

食のボランティア フードバンク

(2015年8月6日号掲載)

フードバンクは、まだ食べることができるのにさまざまな理由で処分されてしまう食料を、食べ物に困っている人や施設に届ける社会福祉活動です。その仕組みを紹介します。

食品を生活困窮者へ

Q.フードバンクって何?

A.フードバンクは安全に食べられるにも関わらず処分されてしまう食品を寄贈してもらい、生活困窮者や支援を必要とする福祉施設などに無償で提供する活動です。アメリカでは40年以上の歴史がありますが、日本で始まったのは2000年以降で全国に約40団体。県内では昨年4月に県労働者福祉協議会やNPO法人など11団体で「フードバンクふじのくに」を静岡市に設立、全県を対象に活動しています。

二つの悩みを解消し笑顔に

Q.なぜこの活動が必要なの?

フードバンク支援の流れ

A.日本では食料自給率が4割を切っているにも関わらず、印字ミスや外箱の破損、規格外などで処分する食料、いわゆる食品ロスが年間数百万トンにおよぶといわれています。

その一方で、明日の食事にも事欠く生活困窮者は増え続けており、生活保護費も増加するばかりです。

フードバンクは「企業の食品ロス」と「行政が抱える生活困窮者増加」というこれら二つの問題を結んで解決するために立ち上がりました。

「もったいない」を明日の食事にも事欠く人々の「ありがとう」に変え、みんなが笑顔になるのが目標です。

防災備蓄品の入れ替え時に

Q.個人も協力できますか?

A.もちろんです。食品メーカー以外に、一般企業やスーパー・小売店、個人にもご協力をお願いしています。一般企業からは防災備蓄食品を入れ替える際に乾パンやアルファ米、缶詰などのご提供いただくケースが多いです。個人も同じく「家庭用防災食品の消費期限が近づいた」という理由はもちろん、「お中元で同じ商品が重なった」「うちでは食べる人がいない」などの理由で寄贈してくださいます。また、長期保存できる穀物を「古くなる前に」と提供する方もいます。なお、寄贈に関しては消費期限が1カ月以上ある食品をお願いしています。

県西部でも受け付け

Q.どこに持って行けば?

A. 各地区にある労働者福祉協議会で常時受け付けています。そのうち、湖西地区労福協は湖西市の協力を得て今年1月から湖西市健康福祉センター入り口にフードボックスを常設(右写真)、浜松市労福協(浜松市東区上西町)にもボックスがあります。また、静岡県西部総合庁舎(同市中区中央1丁目)の1階にも8月31日(月)までボックスが置かれています。

災害時にも貢献

Q.集まった食品はどこへ?

A.まず、消費期限別に倉庫で保管します。そして、生活困窮者の相談窓口(行政機関、社会福祉協議会など)や福祉施設などの依頼を受けて発送、県西部には早ければ翌日届きます。 さらに、フードバンクの食品は災害支援にも役立っています。昨年10月の台風18号で土砂崩れや浸水の被害が出た際には、飲料や食料を提供しました。

寄贈できる食品の例
穀類(米など)、保存食品(缶詰など)、調味料、インスタント食品、飲料、ギフトパック(お中元・お歳暮)、菓子類
寄贈の条件
常温で保存でき、消費期限が1カ月以上あるもの

取材協力/NPO法人フードバンクふじのくに TEL.054-248-6177
湖西地区労働者福祉協議会、湖西市社会福祉協議会