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Vol.5 生命保険の選び方3

もしも夫が亡くなったら、年金はいくらもらえるの?

(2017年2月2日号掲載)

遺族基礎年金は年間100万円

鈴木 聡
(すずきさとし)

ファイナンシャルプランナー、ふくろいFP-SERVICE代表。保険、住宅ローン、資産形成、運用、相続対策など各種相談を受け付け中。袋井市上山梨3-7-1 0538-49-2134
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これまで生命保険を選ぶ際のポイントについて解説してきました(図1参照)。最後に「遺族年金制度」を確認しておきましょう。

「年金」と言えば「老後の年金(老齢年金)」が話題になりますが、亡くなった時には「遺族年金」が、障害者になった場合には「障害年金」が支給されます。つまり、日本の年金制度は3つの目的に応じて支給されるわけで、大変優れた制度になっています。

遺族年金は大きく2種類に分かれ、国民年金に加入している方が亡くなった時に支給される「遺族基礎年金」と、サラリーマンが亡くなった時に支給される「遺族厚生年金」があります。

「遺族基礎年金」の支給対象者は18歳までの遺族である子供と、その子供がいる親です(図2参照)。

支給額は定額で、金額は毎年見直されます。子供が1人いる親には、年間約100万円が支給され、子供2人の場合は年間約122万円が支給されます。

この制度のポイントは、「子供」が18歳到達年度の末日を経過してない者(高校卒業の3月末まで)を指しているということです。そのため、子供が高校を卒業すると「子がいない親」となり、4月から支給は打ち切られます。子供が2人で年長の子が高校を卒業する場合は、22万円の支給が停止されることになります。

サラリーマンには遺族厚生年金も

「遺族厚生年金」は支給対象者が広く、「遺族基礎年金の受給者」のほか「子のない妻」も対象となっています。

つまり、18歳までの子供がいるサラリーマンの遺族であれば、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が支給されます。遺族基礎年金は子が高校を卒業すると打ち切られますが、その時点で妻が40歳になっていれば代わりに年間約58万円が支給されるのも特長です。

では、遺族厚生年金はいくら支給されるのでしょうか。図2のとおり、難しそうな計算式で金額が決定されます。この式は、「亡くなった夫が生前に何年間、厚生年金に加入していたか」「給料やボーナスの収入は平均いくらだったのか」によって年金額が変わることを意味します。つまり、遺族厚生年金の額は人によって違うということです。

必要な保障額を調べよう

生命保険に加入する場合、多くの人が保障額をいくらにするかで悩むと思います。必要保障額は、次の5つのステップで決めましょう。

  1. 夫が亡くなった後に必要な生活費や教育費、住居費、葬儀費用などの総額を計算する。
  2. 1の総額から遺族年金受給総額を差し引く。遺族年金額の目安は、厚生年金加入期間が10年程度の人が亡くなった場合で年間40万円程度。この例で考えると、18歳までの子がいる妻は年間140万円(遺族基礎年金100万円+遺族厚生年金40万円)。子供が高校卒業して妻が40歳であれば、以降65歳まで年間98万円が支給される。
  3. 妻の収入が期待できれば、収入総額を①の総額から引く。
  4. 当面使わない金融資産も引く。
  5. この結果がプラスであれば(1 − 2 − 3 − 4 > 0)、生命保険が必要となる。

生命保険の必要保障額=保険金額は、世帯ごとに異なります。決して「みんなと同じくらいの金額」で加入するものではありません。

【図1】保険相談のポイント
  1. 何の為に、保険が必要ですか?
    死亡(遺族の生活費、死後の整理資金)・医療(病気やケガ)・就労不能・教育資金・老後の生活資金・介護・相続対策 など
  2. 保障が必要な時期は「いつから、いつまで」ですか?
    一生涯か一定期間か
  3. 保険料は「掛け捨てタイプ」か「貯蓄性重視」か
    また、支払い期間は「一生涯」か「一定期間」か
  4. 公的サービス(健康保険、遺族年金制度等)の情報は充分ですか?

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【図2】「遺族年金制度」を知る
遺族基礎年金(国民年金)
支給対象者
死亡した者によって生計を維持されていた
  • 子のある妻、夫
支給額
780,100円+子の加算
[子の加算]
  • 第1子・第2子:各224,500円
  • 第3子以降:各74,800円

※親+子ども1人=100.5万円/年(8.4万/月)/ 親+子ども2人=122.9万円/年(10.2万/月)

遺族厚生年金(厚生年金)
支給対象者
  • 遺族基礎年金の支給の対象となる遺族
  • 子のない妻
  • 55歳以上の夫、父母、祖父母(60歳から支給)
支給額
(平均標準報酬月額 × 7.125/1000 平成15年3月までの被保険者期間の月数

平均標準報酬月額 × 5.481/1000 平成15年4月以後の被保険者期間の月数)
× 3/4

※夫が死亡したときに40歳以上の子のない妻、または子が18歳に達し遺族基礎年金を受給できなくなった妻が受け取る場合は、40歳から65歳まで585,100円が加算されます。

※被保険者期間が300月(25年)未満のときは、300月とみなして計算します。

※子がいない30歳未満の妻への遺族厚生年金は5年間の有期給付となります。

※平成28年度の制度、支給額に基づいています。

※子とは18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない者、もしくは20歳未満で障害等級1級または2級の障害者。

出典:日本年金機構

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