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知らないと損する女性のためのマネー講座-その8

扶養範囲で働く人注目 「106万円の壁」 に備えよう

(2016年4月7日号掲載)

今年10月から扶養の範囲内で働く人を対象に、社会保険の適用が拡大されます。新たに出現する「106万円の壁」を知って、今のうちに対策を練っておきましょう。

大企業で働く人が対象

家庭を持ちつつ働いている女性にとって、夫の扶養に入って働くかどうかは悩ましい問題です。例えば夫が正社員として働き、妻がパートで収入を得る場合を考えてみましょう。現在の制度では、妻の年収が103万円以下であれば、夫は配偶者控除により38万円の所得控除を受けることができます。さらに、年収が130万円以下であれば、夫の被扶養者となるため自分で社会保険料を支払う必要はありません(扶養の範囲は健康保険組合によって異なる)。これが俗に言われる「103万円の壁」「130万円の壁」です。

今年10月から、さらに「106万円の壁」が加わります。これは主に大企業に勤めていて、月額8万8000円(年収106万円)以上の収入がある人は社会保険への加入が義務付けられるという制度です。上記の条件にすべて当てはまる場合、健康保険料や厚生年金保険などを支払う必要が生じます。

年収アップで対策を

「106万円の壁」に対し、どのような対策を取ればいいのでしょうか?一つには勤務時間を減らし、年収を106万円に抑えるという方法があります。しかし、それでは収入が減っただけで家計は苦しくなるばかりです。

もう一つは、夫の扶養を外れても問題ない収入を稼ぐ方法。扶養を外れると税金や社会保険料など自己負担が発生するため、160万円以上の年収を得る必要があります。

具体的には、雇用保険の教育訓練給付金制度を使ってスキルアップを図り、時給を増やすというような方法が考えられます。制度には2つの種類があり、一般教育訓練給付は費用の20%が、専門実践教育訓練給付は費用の40%が支給されます(※1)。

一方、現在無職で雇用保険からの受給ができない場合、ハローワークで求職手続きをし、厚生労働大臣の認定を受けた民間の訓練機関で職業訓練を受ける制度もあります。テキスト代は実費負担ですが、世帯収入などの条件によっては訓練を受けながら職業訓練受講給付金を受給できる可能性もあります(※2)。

今後、消費増税なども見込まれ、生活環境は厳しくなる傾向にあります。女性の活躍で前向きに家計を支えていきましょう。

※1 費用に上限・下限あり。詳細はハローワークへ問い合わせ、もしくは教育訓練講座検索システムで照会を

※2 詳細は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページを参照のこと

【取材協力】
ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士有資格者 初世真紀子さん