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Vol.3 生命保険の選び方1

なぜその保険を選んだの?目的と期間を明確にしよう。

(2016年12月1日号掲載)

リスクが分かれば保障も分かる

鈴木 聡
(すずきさとし)

ファイナンシャルプランナー、ふくろいFP-SERVICE代表。保険、住宅ローン、資産形成、運用、相続対策など各種相談を受け付け中。袋井市上山梨3-7-1 0538-49-2134(9:00~21:00)

今年5月に「保険業法」が改正施行され、保険募集人に対し、契約者の保険加入の意向把握が義務化され、また保険商品・サービスの情報提供が義務化されました。

このことは、一般消費者から見ると「契約するときには自分なりの考えをしっかり持ちましょう」と促していることになります。筆者はこれまで多くの方の保険相談を受けてきましたが、「なぜその保険を契約したのか?」と尋ねると、「勧められるままに契約した」と答えた方が多くいました。しかし、これからは契約者が明確な目的を持たなければならないわけです。今回は保険の加入に当たり、重要な4つのポイントを2回に分けて解説いたします。

ポイント1は「保険契約の目的」です。そもそもなぜ保険が必要と思ったのか。当初はあいまいでも止むを得ませんが、生活する上でのリスクを明らかにしていくことで、自分に必要な保障がはっきりします。

死亡リスク

人間いつかは亡くなりますが、その時期によって必要な保障も変わります。また、独身・結婚・子供の有無など、家族構成によっても保障は変わります。

病気やケガのリスク

若いときは元気でも高齢になるほど病気のリスクは高まります。

就労不能リスク

働けないことで生活費やローン返済に困窮します。

教育資金のリスク

親に万が一のことがあった場合でも、子供には十分な教育を受けさせたい場合には、その手立てが必要です。

老後の生活リスク

総務省の昨年のデータによると、65歳以上の無職の世帯の家計の収支は毎月6万円の赤字。公的年金以外で老後生活費の準備が必要となります。

介護のリスク

厚生労働省の今年4月時点のデータによると、65歳以上の18%の方が介護認定を受けています。この内、85歳以上は男性が46%、女性が65%の認定です。介護認定を受ければ、公的介護保険が使えますが、サービス料金の一部は自己負担。その資金の準備が必要です。

相続対策

相続税の支払いが必要な方は多くはありませんが、生命保険には一定の非課税枠が認められています。そのため、保険を使うことで相続税の負担が軽減できたり、分割をスムーズに進めることで相続リスクに対応できたりします。

目的に応じて期間を設定

ポイント2は「保険の契約期間」です。保障が必要なのは、いつから、いつまででしょうか。目的がはっきりすると、自ずと必要な保障期間も明確になります。

例えば「死亡リスク」の"死後の整理資金̋"であれば、いつ亡くなるのか分からないので一生涯の保障が必要です。「病気やケガのリスク」や「介護のリスク」「相続対策」は高齢になればなるほどリスクは高まるので一生涯の保険期間にするのがベター、といったように考えていきます。

一方、教育資金は大学進学に備え、子供が18歳になるタイミングで満期を迎えるような契約にし、就業不能リスクは65歳の年金生活に入るまでの就労期間を保険加入期間にします。

次回(1月12日号予定)は「3.保険料のタイプ」と「4.健康保険や遺族年金などの公的制度」を解説します。

保険相談のポイント

  1. 何の為に、保険が必要ですか?
    • 死亡(遺族の生活費、死後の整理資金)
    • 医療(病気やケガ)
    • 就労不能
    • 教育資金
    • 老後の生活資金
    • 介護
    • 相続対策 など
  2. 保障が必要な時期は「いつから、いつまで」ですか?「一生涯」か「一定期間」か
  3. 保険料は「掛け捨て」タイプか「貯蓄性重視」か?また、支払い期間は「一生涯」か「一定期間」か
  4. 公的サービス(健康保険、遺族年金制度等)の情報は充分ですか?

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