直虎の事件簿

直虎の事件簿 File.3

亀之丞失踪事件【後編】 犯人は誰だ!? スゴ腕スナイパーを成敗。

青葉の笛を吹く亀之丞
(伊藤信次・画)

弘治元年(1555年)、今川氏から命を狙われ、信州の松源寺に身を隠していた亀之丞(井伊直親)が井伊谷へ帰ってきた。父親を死に追いやった井伊家の筆頭家老・小野政直が死去したためだ。亀乃丞、この時20歳。井伊谷へ向かう途中、彼は寺野六所神社(浜松市北区引佐町渋川)にお参りをし、道中の無事を祈って青葉の笛を奉納した。

さらに彼にはもう一つ、果たすべきことがあった。10余年前、信濃に向かう道中で自分に矢を放った刺客を見つけ出すことだ。現場近くの村人たちを集めた亀之丞は、木の枝に止まるスズメを指さして「誰か弓矢が得意な者は、あれを射よ」と命じた。

名乗り出たのは誰あろう、狙撃した張本人・大平右近次郎である。いともたやすくスズメを射止めた右近次郎の姿に、亀之丞の疑念は確信に変わった。渋川には今も、成敗された彼の墓が残っている。処刑の際、赤い頭巾をかぶっていたといわれる右近次郎。それからというもの、墓の周りには時折、赤い頭巾をかぶった蛇が出ると伝わっている。

(4/6号に続く)

【スポット1】
亀之丞が笛を寄進した寺野六所神社
【スポット2】
渋川・大平地区にある右近次郎の墓

取材協力/井の国会、渋川の歴史と文化を守る会