人物

いま輝く人 びぶれ・インタビュー

村松 陽子 ひなたカフェ代表

(2015年6月25日号掲載)

村松 陽子さん

差し込んだ光に、ガラス瓶のマーマレードが金色に輝く。「旬の果物をきれいなまま閉じ込めて、旬が過ぎてもおいしく味わえるのがジャムやマーマレードの魅力。瓶詰めしたジャムをテーブルに並べた時の"やった感"が好き」と話す村松陽子さん。5年間の自宅カフェからジャム&マーマレード作りに転向して1年半。このほどイギリスで開催された世界的なオリジナル・マーマレードのコンテストに出品。各国から約2700本が集まる中、ゆずのマーマレードが銀賞、ほか2品が銅賞を受賞した。

ジャム作りはカフェ時代に出したパンに添えるジャムに始まる。店頭に並べたらよく売れたので、街中イベントに出店したところ、反響の大きさに驚いた。「皆さんに喜んでいただけるのがうれしくて。もともとコツコツやる方が好きだから、それならジャム作りに専念しよう」と、思い切ってカフェを閉め、販売はイベントで行うことにした。

素材、色、香りにこだわるのが村松流。ラベルには「浜松生まれの無添加ジャム」と書かれている。甘夏、ネーブル、いちごなど遠州地区で作った果物が中心だ。「材料は果物、てん菜グラニュー糖、レモン汁だけ。余分なものを入れないほうがおいしいから」。また、果物の栽培方法も「マーマレードは皮を使うので、ポストハーベスト農薬の心配がない国産の柑橘類以外考えられません」ときっぱり。さらに、重要なのが鍋を火から下ろすタイミングで、「煮込み過ぎると香りが飛ぶし、色も悪くなるんです。まだまだ "煮止め"が難しい」と苦笑い。

受賞したマーマレード(左から青レモン、ルビーグレープフルーツ、ゆず)

ファンが増える中、イギリスで最大規模の世界的コンテストのことを偶然知った。「マーマレード発祥の地で"自分の味"が通用するのかを知りたい」と応募。受賞の際、専門家が評価したのは「色と香りが良いこと」だった。本場でこだわりが評価され自信がついたと笑顔を見せるが、あくまでも自然体だ。

味作りはイベントで知り合った人々から始まることも多い。「黄金柑は名前も知らなくて。浜松産のグレープフルーツがあることも。次郎柿は考えたこともなかったけど、去年試しに作ったらおいしかったので定番にしたい。さくらんぼも考え中です」。出会いから生まれる新しい味作りが、活力になっていく。

【主な活動】
季節の果物を使ったジャムやマーマレードを手作りし、主にイベント会場で販売。近く出店するイベントは6/28(日)袋井市月見の里1階で行う手作り雑貨マーケット「めろめろ☆マルシェ」。なお、現在手に入るジャムの種類はブログ(「ひなたカフェ」で検索)で発信しており、メールでの注文もできる。

【PROFILE】
1970年生まれ。東京都出身。1998年に夫の転職で浜松へ。2008年12月、自宅で「ひなたCAFE」をオープン。2014年1月からジャム専門製造販売業に転向。今春、英国の「デールメイン・マーマレード・アワード2015」で、ゆずのマーマレードが銀賞を、青レモンとグレープフルーツが銅賞を受賞。