人物

いま輝く人 びぶれ・インタビュー

大村 由実 えほん文庫主宰

(2015年11月5日号掲載)

大村由実さん

最初の手記を投稿した冊子「わが子がダウン症と告知された87人の『声』」は、えほん文庫で閲覧可能

「私たちの家族の一員として、ごうちゃんを授かって良かったね!」
大村由実さんが月に自費出版する本「うちの子育てはっけよい!ダウン症がなんのその!?」は、こんな一文で締めくくられている。ごうちゃんはダウン症のある大村家の次男。本のタイトルを考え、表紙にごうちゃんの似顔絵を描いたのはお姉ちゃん。裏表紙の写真でごうちゃんと相撲を取っているのはお兄ちゃん。文章を校正したのはお父さん。ごうちゃんとの8年のあゆみを一冊にまとめてみると、心から言いたかった言葉が最後に現れた。

大村さんが家庭文庫「えほん文庫」を開いたのも8年前。三人目の子、ごうちゃんが生まれた3か月後だった。「赤ちゃんがダウン症だと告知された時はもう…。先生から高齢出産のリスクは聞いていましたが、"まさか"自分の身に起きるとは思っていませんでした」。当時の衝撃は今でも鮮明に覚えている。だからこそ、「障がいのある子がいても不幸じゃない!って、知ってほしいんです」。大村さんはメッセージを送り続けている。


活動を通して知り合った水戸川真由美さん提案のバリアフリーグッズをごうちゃんと販売

えほん文庫では「ダウン症のある赤ちゃん会」を毎月開催。1年前にはリーフレット「天使からの贈り物~ダウン症のある赤ちゃんを授かって~」を自主制作した。ある時、告知をする側の医師が赤ちゃん会に参加し、母親たちの声を受け止め、その後病院でリーフレットを配るようになったという。継続的な活動はまた新たな出会いを生んだ。同年6月、日本で初めてダウン症のある子供たちのための学級を作った歳の関先生から激励の手紙が来たのだ。「今、ごうちゃんが視覚特別支援学校で教育を受けられるのは多くの先達のおかげ」と、ごうちゃんと一緒に先生に会いに行ってきた。

そして22日(木)には聖隷クリストファー大学で助産学を学ぶ学生を前に、障がいのある子の母親として話をした。「ずっとやりたいと思っていたことです。えほん文庫をブログで知ってくださった先生の働き掛けで夢が叶いました。また今回、想いを本にすることで新たなご縁がつながり、広がっていくことを楽しみにしています!」


【主な活動】
「えほん文庫」主宰。障がいの有無を問わず、いろいろな人たちの利用を勧めている。11月には、えほん文庫8年のあゆみを記した手記「うちの子育てはっけよい!ダウン症がなんのその!?」を出版予定。

【PROFILE】
浜松市生まれ。結婚、出産を経て2007年、自宅の一部を開放した家庭文庫「えほん文庫」を開設。42歳でダウン症のある赤ちゃんを授かったことをきっかけに、障がいへの偏見をなくすために活動中。3児の母。

「子育て中のすべてのママたちにエールを!」との思いを込めて執筆。
(発売元/静岡新聞社)