特集

大人のマナーを学んで“関係力”を高めよう

(2011年7月28日号掲載)

すべての根幹は“思いやる心”

tokushu110728A.jpg “関係力”とは、人と人との良い関係をつくる力のこと。この力を持っていると、どんな場面でも相手に好感を持ってもらうことができ、より良い人間関係を築くことができます。そのためにはマナーを身に付けることが必要ですが、その一番根底にあるのは「ホスピタリティ」。親切なおもてなし、すなわち人を思いやることができる温かい気持ちです。

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まずは、あなたの“関係力”をチェック。日頃の自分を振り返ることから始めましょう。「ちゃんと気配りできるもん!」というアナタもぜひやってみて。






さて、あなたはYesがいくつありましたか。3つあれば合格ライン。2つ以下の人はレッスン2のレクチャーをしっかり読んで頑張って!合格ラインの人も、さらに人間関係を豊かにするためのコツを専門家の話から学んでいくことにしましょう。

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tokushu110728C2.jpg それでは“関係力”を高めるための大切なポイントを学びましょう。お話しいただくのは、サービス業界に優秀な学生を多数輩出している浜松大学ビジネスデザイン学部教授の長谷川真知子先生です。


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●表情や態度が大事

人間はいくつになっても相手に好感を持ってもらいたいと考えるもの。ですから第一印象はとても大事。メラビアンの法則によると第一印象は3~6秒の間に決まるといわれています。その決定要素は「視覚情報(表情など)」「聴覚情報(声の質、トーン、スピード)」「言語情報(内容)」の3つ。このうち、視覚情報が55%を占めるのです。いかに外的表現が大事かわかりますよね。出会いの瞬間に相手の性格はわかりません。推測する材料は外的表現しかないのです。第一印象に成功すると後の関係がうまくいきますから、大切にしたいもの。とかく化粧や服装に注意を払いがちですが、実はもっと大事なのは表情、態度なのです。

●“クッション言葉”を使って

関係力アップのポイントは「人間関係を豊かにするマナー」です。さまざまなマナーの根幹にあたるもので、ホスピタリティ(思いやる心)に基づいています。キーワードは「挨拶(あいさつ)」「表情」「身だしなみ」「言葉遣い」「態度」の5つ。挨拶という字には「押し迫る」という意味があります。つまり、挨拶はこちらが心を開いて相手に迫る積極的な働き掛け。そこから心の交流が始まり、よい関係が生まれるのです。ですから、まずは自分からすること。「どうして年上の私から若い人たちに挨拶をしなくちゃいけないの?」という人もいますが、人生の先輩が後輩に教えていく、という広い心で続けていけば相手にも気持ちは伝わるものです。また「わかっているけど面倒」という人もダメ。行動を伴わない知識は知識とは言えません。

tokushu110728C3.jpg もう一つ、言葉遣いは心遣いが伴ってこそ生きてくるもの。「そうしてはいけません」という否定表現は「こうすればいいと思う」という肯定表現に、命令形は「~していただけますか?」と依頼形にするなどを心掛ければ、相手はもちろん自分の気持ちも優しく変わってきます。そして、要件だけでなく「恐れ入りますが…」「申し訳ございませんが…」「お急ぎのところ…」といったクッション言葉を使えば、柔らかい印象に変わります。それらを上手に使えることも、関係力の向上につながるのではないでしょうか。

子供は親を見ています。人への思いやりや配慮ができる態度は必ず子供に良い意味で伝染します。家庭の中でもホスピタリティの心を大切にしていきませんか。


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毎日の生活の中で意識したいことはいろいろありますが、今回はポイントを3つに絞ってみました。いずれもすぐに始められることばかりです。

●行動が感情を変える!演技も大事

「今日は疲れているから、笑顔はなし」…そんな日もあります。でも、笑顔を常に意識しましょう。実は演じることはとても大事なこと。笑顔でプラスの気持ちを演じていれば、次第にそれが本物の気持ちに変わってきます。これは本当です。ぜひやってみてください。

「いくら丁寧なお辞儀をしても気持ちが伴わなければダメ」と思っていませんか。最初は形からでもいいんです。形を身に付ければ行動が変わります。それが習慣になると自然に意識が変わり、物事のとらえ方にも変化が現れます。すると人格が変わり、より良い人間関係が生まれてくるのです。「守破離(しゅはり)」という言葉がありますが、これは最初に基本を守り、習得し、やがては枠を飛び出して自分なりのスタイルを作るという教え。だから基礎(形)はとても大切。身に付いてこそ応用もできるのです。

●プラスを呼び寄せよう

tokushu110728D3.jpg 相手にプラスを渡せばプラスが返ってきます。反対にマイナスを渡せば、必ずマイナスが返ってきます。これは人間の真理。怒りは心のエネルギーをマイナスにしてしまうのです。心の中で「嫌な感じ」と思ってしまうと必ず声や表情に出てしまうもの。「いいよ」と言いながら、嫌そうな顔をしている…それは相手にマイナスを与えることと同じです。あいまいな気持ちで「Yes」と言うなら、気持ちよく「Yes」と言うようにしたいもの。そうすれば心がプラス志向に変わっていきますよ。

tokushu110728D5.jpg ●人は変えられない。自分が変わる

「こうしてほしいんだけど」「なぜそんな行動を取るの?」と相手に求める気持ちが強くなってはダメ。人を変えることはできません。でも、自分は変えられます。自分が意識を変えて、ちょっとした言葉の掛け方、表情などを変えていけば、常に“プラスの心理状態”になることができるんです。人との関係をより良くするために、まず自分を変えていきましょう。

tokushu110728D6.jpg 浜松は二世帯同居の家が多いと聞きます。義理の両親との価値観の違いに悩む方もいるかもしれません。例えば、お嫁さんは子供に甘いお菓子を食べさせたくないと考えているのに、おばあちゃんが買い与えてしまった場合。お嫁さんは怒らないで、おばあちゃんの愛情に対しまず「ありがとう」を言いましょう。その後に食べさせたくない理由(すぐ虫歯になるなど)を丁寧に説明すれば、おばあちゃんは理解してくれるかもしれません。そうした歩み寄りが関係力アップにつながるのです。


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●知ってる?おしゃれと身だしなみの違い
おしゃれは主観的なもの。個性を生かし、好きなものを好きなように重ねていくのもいいでしょう。身だしなみはその反対、客観的な「引き算」と考えます。例えば葬儀に出席する場合。真珠は二重ではなく一重に、派手なハンカチなど色ものは避ける…など、その場に対して、相手に対して失礼のないように配慮するのが身だしなみです。