特集

遠州を練り歩く

遠江秋まつり物語

(2011年9月1日号掲載)

 

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連日各地で行われる秋まつり。今回は多彩な祭りを3つのタイプに分けて紹介します。カメラ片手にいざ出発!


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見付天神裸祭 9/3・4

tokushu110901B2.jpg 裸で狂喜乱舞する鬼踊り

見付本通り東端にある見付天神矢奈比賣(やなひめ)神社。今年は8月28日の祭事始からスタートし、御斯葉(みしば)下ろし、浜垢離(はまごおり)、御池の清祓い、例祭、裸祭、還御と、今まさに行われている最中です。



tokushu110901B3.jpg 天下の奇祭と称され、勇壮な男衆が主役。裸にワラで作った腰みのを付け、見付本通りを練り歩きます。クライマックスは3日の夜11時ごろから行われる鬼踊り。拝殿で提灯をかざした男たちが、鈴を鳴らしながら激しく踊り狂います。

起こりは菅原道真を祭るものとも、しっぺい太郎の怪物退治に感謝し平和が戻った喜びを表現したともいわれる謎の残る祭事です。


tokushu110901B4.gif しっぺい太郎伝説

昔、見付の祭りには人身御供のしきたりがあり、櫃に入れて差し出した娘は怪物に食べられてしまうという恐ろしいものでした。ある年、旅僧が拝殿下で「信濃のしっぺい太郎に知らせるな」という怪物の言葉を聞き、しっぺい太郎を探す旅へ。

僧は赤穂村の光前寺にいる犬がしっぺい太郎だと聞き、祭りの時期に連れて戻ります。櫃に入れたしっぺい太郎は怪物が現れると猛然と襲いかかり、明け方まで激闘を繰り広げました。翌朝の境内には血まみれで横たわるヒヒの化け物と、深手を負ったしっぺい太郎の姿が。これを機に人身御供は消滅したのです。その後は僧が太郎を光前寺へ連れ帰ったとも帰る途中で息絶えたともいわれ、各地に逸話が残っています。


有玉神社例祭 10/7〜9

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家康の勝馬のごとく

約400年前、徳川家康が大阪夏の陣の勝馬を寄進したことが始まりです。今は3頭の馬が神社を一周し、弓をまわす「宮回りの儀」を披露。これは戦で弓を回して相手の矢を防いだことに由来しています。続いて「射形の儀」、「子供相撲」を行い神事は終了。500本配られる矢竹(矢を模した竹のお守り)は毎年大人気です。神社の場所は有玉南町、東名高速道路高架の北東。

掛塚まつり 10/15・16

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豪華絢爛(けんらん)な屋台とお囃子

室町時代に海上安全と地域の平和を祈って始まった祭り。立川和四郎の技を継ぐ唐破風造りの屋台には、天幕や漆塗りなどの名工の技が生きています。また屋台囃子には逸話が。後醍醐天皇の子・宗良親王が井伊谷に向かう途中、白羽湊へ漂着。貴船の大祭で村人が歓待した折に「御公家(おくげん)囃子」が伝授されたそうです。場所は国道150号白羽の信号から北東50m。


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岐佐(きさ)神社例祭 10/10・11

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漁師町に響く巨大な太鼓

400年以上続く岐佐神社例祭は旧暦の9月14・15日に海上安全と豊漁、町内安全を祈願して行われます。2日目の朝7時、直径2.5mの大太鼓が神社から町へ繰り出す時が最初の見どころ。その後8台の大太鼓は独特のリズムを響かせながら町内を練り歩きます。そして満月が輝く夜、神社の石段を上ってお社に据え付けられ、夜更けまで打ち続けられます。場所は舞阪駅から西へ1.5km。

川合花の舞 10/29・30

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湯釜を囲み夜通し舞い踊る

浜松中心地から車で2時間。佐久間町川合の八坂神社に伝わる湯立神楽。拝殿前に舞台・舞処(まいど)を設営し、真ん中に湯立の釜を据えます。釜の上にはキリコと呼ばれる切り紙で飾った湯蓋がつり下げられ、釜の周りで18の芸能を奉納します。舞いは午後3時から未明まで、乱舞する榊鬼、まさかりを振り回す山見鬼、花笠をかぶった子供も踊る花の舞など見どころいっぱい。この神事は健康と五穀豊穣を祈願しています。

八幡神社・清水神社の祭典 10/23

tokushu110901C6.jpg 無形民俗文化財の勝坂神楽

自然豊かな春野町で400年伝わる八幡神社と清水神社の祭典です。この神社は子授け、子育ての神として知られています。

市指定無形民俗文化財の勝坂神楽は正午スタート。ボタン柄の赤い着物に獅子頭を付けた踊り手が、八幡神社前の舞「ぬさ舞」と清水神社前の舞「ほろ舞」を披露します。



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梅山八幡神社大祭 10/9

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五穀豊穣を占う稚児流鏑馬(やぶさめ)

浅羽南小学校から北西へ1km弱の所にある梅山八幡神社。春日神社と八幡神社が同格で建つ珍しい神社で、共に地域の氏神様として愛されています。

稚児流鏑馬が始まったのは室町時代の初め。太平洋戦争で中断しましたが、平成2年に梅山自治会によって復活された歴史ある神事です。馬に乗るのは梅山自治会の小学5年生の男子。午前中は「字内巡行」で町内を歩き、午後2時ごろから境内で流鏑馬を行います。当たり方によって、五穀豊穣や家内安全、国家安泰などを占うといわれています。

湊神社祭典 10/8・9

tokushu110901D4.jpg 晴れやかな「ゾミキ」と涼しい虫の音「ギスカゴ」

新居小学校の北側に鎮座する湊神社。 祭典の名物はゾミキとギスカゴです。昼間にゾミキと呼ばれる大太鼓、舞太鼓、小太鼓の連隊を子供たちが引いてお宮へ参拝。そして日曜の午後6時ごろになるとギスカゴ(写真)が登場します。すすきの葉で囲んだ屋台と和笛、太鼓、三味線、鼓、大鼓(おおかわ)の音を、こおろぎや鈴虫を入れた虫かごに見立てて表現したものです。また子供らによる手踊りもあり、250年以上変わらぬ形で受け継がれている地域の大事なお祭りです。


遠州福田六社神社祭典 10/8・9

tokushu110901D5.jpg 豊作に感謝する「ソラヤレ」の掛け声

海神を祭る六社神社は地元の漁師たちの信仰を集めた福田の氏神様。秋には稲の豊作を感謝します。縁日屋台が多数出るにぎやかな2日間です。

見学に行くなら日曜がお勧め。午後1時半から拝殿で4人の巫女が「浦安の舞」を奉納。夕方には中川通りに23台の屋台が集まります。万歳三唱、乾杯に続き、「ソラヤレ」の掛け声とともに練りが行われる「統一行動」に突入します。場所は磐田市商工会福田支所から東へ徒歩10分。