特集

吹き抜けるから美しい

うちら、風LOVER

(2012年2月23日号掲載)

機能美を兼ね備えた遠州の風物詩

tokushu120223A1.jpg 遠州っ子には吹いていて当前の「からっ風」。西北西から吹くこの風は高い山に遮られることもなく浜名湖上を抜けてこの地に届きます。そんな強風が生んだ美しい特産物を紹介します。

槇(まき) つややかな風よけ

tokushu120223B1.jpg 江戸時代から植木の生産が盛んだったといわれる浜北区。町を歩けば美しい生垣の家が多いことに気付くでしょう。中でも静かで落ち着いた趣を感じさせるのが槇。槇は成長とともに葉が茂り、目が詰まるため風よけの代表格として愛されています。

一般的に流通している品種は4種類。通称「ほそば」と呼ばれ生垣として最も多く使われているのがイヌマキです。幅1cm、長さ10cmほどの細長い葉が特徴で、色は深い緑色。つややかな葉には日の光が朝露のように輝きます。ラカンマキは葉を短く改良した新品種、コウヤマキは悠仁親王のお印として注目を集めました。カクマキは葉の中心部分に折ったような筋が入っているのが特徴です。
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tokushu120223A2.gif 「スッキリとした直線美」

浜北造園建設業協会会長 みどり園代表
髙林久雄さん

tokushu120223B4.jpg 「樹齢60年を超えても美しく、水やりや病気などの心配も少ない庭木はそれほど多くありません。槇には風よけ効果はもちろん、防火・白あり対策にも効果があるとして昔から一般家庭で親しまれています」

植木生産販売・隆昌園
村松一海さん

「深い緑と新芽の黄緑色、どちらもツヤが魅力です。また庭師さんが真っ直ぐに刈り込んだ生垣は気持ち良い景観です」



ざざんざ織 絹の輝きをまとう工芸品

tokushu120223C1.jpg 松が風に吹かれて揺れる音…「ざざんざ」。室町幕府6代将軍、足利義教公が浜松の有名な松の下でそう詠んだと伝えられています。織物職人のあかね屋初代・平松実がこの松にあやかって名づけたのが「ざざんざ織」です。

ざざんざ織製品の特長は原材料である2頭の蚕から取る絹糸。これにより美しい光沢としなやかな耐久性を兼ね備えています。染料は植物を使った草木染め。そのため同じものは二つとなく、作品すべてが限定品なのです。


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tokushu120223A2.gif 「使ってなじむしっとり感」

あかね屋 平松久子さん

「織物は使ってこそ価値があります。ざざんざ織は使うと絹が摩擦で磨かれ輝き始めます。それに伴って生地が柔らかくなり、しっとり肌になじんできますよ」


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【2月27日(月)まで】
遠鉄百貨店本館8階特設催会場で販売中

静岡県の郷土工芸品が集まる展示販売会が遠鉄百貨店本館8階の特設催会場で2月27日(月)まで開催中です。「ざざんざ織」もストールやネクタイなどを出品。直接見て触って買えるチャンスです。



帆布 機能×デザインでブーム再燃

tokushu120223D1.jpg 風を動力に大海を突き進む帆船。漁業が盛んな海辺の町・磐田市では帆の修理技術も同時に磨かれ、明治以降、帆布の生産地となりました。帆布は縦糸と横糸のバランスで強度やハリが変わります。一定の厚手織物は卓越した技術が必要なのです。ところが近年は、輸入品に押され気味なのも現実。






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そこで、帆布を盛り上げるべく“磐田帆布プロジェクト”がスタート。デザイン事務所・なのかデザイン(遠藤澄子さん)と鈴丑織物工場は磐田市商工会の依頼を受けて船型の帆布トートバッグを作成しました。丈夫なトートバッグは重いワインボトルや大切な楽器入れにぴったりです。


【3月25日(日)まで】 静岡市美術館ミュージアムショップ&カフェで販売中

tokushu120223D3.jpg 帆布バッグの企画・デザイン担当「なのかデザイン」が生み出した静岡ゆかりの商品が3月25日(日)まで静岡市美術館ミュージアムショップ&カフェで販売中。帆布バッグはもちろん、世界シェアほぼ100%の別珍を使ったコースターや富士山をかたどったモビールなどが並んでいます。なお同館は「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展を開催中です。