特集

8月11日は「山の日」

山の恵みを見つけに行こう。

(2016年8月11日号掲載)

今年から8月11日が「山の日」になった。山の恩恵に感謝するための祝日らしいが、山に対して一体、何をすればいいのだろう?その答えは、山へ行けば分かるかもしれない。

南アルプス千枚岳の登山道、標高2,600mに位置する千枚小屋

「山の日」とは?
今年から始まった国民の祝日。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを目的として制定された。

感じてみよう-1
静岡県 南アルプスの千枚岳

目の前に広がる大スケールの自然
標高2,600mの千枚小屋から雄大な景色を望む

標高2880m。静岡県の最北端、南アルプスの千枚岳からは、富士山や北岳、果ては中央アルプスまで大スケールの景観を望むことができる。意外と知られていないが、県庁所在地で3000m級の山があるのは静岡市だけ。千枚岳山頂には、静岡市とは思えない非日常の世界が広がっている。

夏山シーズン真っ盛り。登山に憧れていても、「いきなり本格的な山に挑戦するのは不安」と考える初心者には、株式会社特種東海フォレストの「千枚ガイドプラン」がお薦めだ。南アルプス標高2880mの千枚岳を目指すプランだが、ふもとの畑薙第一ダムから登山の拠点となる椹島ロッジまでは同社が運行する山小屋宿泊者送迎バスを利用。歩いて登ると7時間程かかる標高2600mの千枚小屋へは約1時間半で到着する。さらに、千枚小屋から千枚岳山頂へは約1時間の山登りで登頂できる。ガイドが案内してくれる初心者にも高齢の方にも心強いプランだ。

登山の醍醐味は、普段は見られない景色を楽しめること。千枚岳付近には、高山植物が咲き乱れる。山頂からは、富士山をはじめ、南アルプスの山々360度の大パノラマが望める。

「高山植物は1週間ごとに咲く花がかわります。満点の星空や日の出、夕焼けなど、雄大な景色も見どころの一つです」と同社の仲田勝利さん。大自然の恵みをその目に焼き付けよう。

紅葉と絶景
富士山の美しい朝景
高山植物

8月22日(月)から9月8日(木)までの間、南アルプス千枚岳ガイドプランを実施。千枚岳周辺を同社のガイドが案内してくれる。料金は1泊3食付きで、さらわじまロッヂ宿泊が2万3000円、二軒小屋ロッヂ宿泊で2万7000円。希望者は下記まで。

株式会社特種東海フォレスト 島田市金谷東1-753-1 0547-46-4717

感じてみよう-2
掛川の里山 時ノ寿(ときのす)の森

生きる術はすべて里山にある
クラブハウス

掛川市倉真、大沢地区。新東名・掛川パーキングエリアをさらに北上した山の中に、人々が集う交流施設がある。荒廃した里山を再生しようと活動する、NPO法人・時ノ寿の森クラブの運営施設「森の集会所」だ。

時ノ寿の森クラブは、間伐や植樹など通じて里山の再生活動を続けている団体。理事長の松浦成夫さんは大沢地区の出身で、1975年に廃村となった故郷を蘇らせようと10年前に活動を始めた。

「森林を放置したままにしておくと、山の保水力が弱まって地滑りや洪水などの災害の原因になる。上流にある里山の荒廃は、下流にある都市の暮らしに影響することをみんなに知ってもらいたいと思い、活動を始めました」

「里山での暮らしを通じて、人は生きる力を身につけてきた」というのが松浦さんの持論。集会所は誰でも気軽に立ち寄ることができ、都市住民が里山と出会える拠点(プラットホーム)といえる。集会所の前を流れる谷川で遊んだり、牧場でヤギと触れ合うこともできる。

「チェーンソーの講習会など、森林ボランティアの育成も行っています。山仕事が終わった後に吹いてくる風はとても心地よいですよ」

来月からは山村体験などのプログラムを提供する「時ノ寿学校」をプレオープン。子ども向けの自然体験教室「森のようちえん」の本格的な開催も予定されている。

植林活動
間伐体験
川遊び
ヤギとのふれあい
山村都市交流ツアー

9月17日(土)午後1時半~午後3時、掛川市美感ホールで講演会「森づくりで地方創生~山村と都市の新しい関係」を行う。講師は東京農業大学教授の宮林茂幸さん。詳細は下記まで。

NPO法人 時ノ寿の森クラブ 掛川市倉真7021 0537-28-0082 http://tokinosunomori.com/

感じてみよう-3
白倉峡にある龍山秘密村

山奥で体験する本格的なアウトドア
キャンプ場には川が流れる

紅葉の名所として知られる秘境・白倉峡。細い登り道をさらに奥へ進むと、今年4月に開村した「龍山秘密村」が姿を現す。地元のNPO「ほっと龍山」が、一昨年に閉鎖された市の野外活動施設を整備して、復活させたキャンプ場である。

「昔、ここは地域で唯一の田園があった場所でした。周りは木々に囲まれていて、広場には小川が流れている。豊かな自然を体験するには理想的なところですね」

そう話すのは秘密村の村長・川道光司さん。千葉県出身の川道さんは、キャンプ生活を送りながらオーストラリアを旅した経験を持つ。帰国後は富士宮市でアウトドアの指導に従事。そんな折、知人から龍山にある閉鎖されたキャンプ場の存在を知り、地元団体に「新たな施設としてオープンしたい」と申し出た。

本格的なオープンは来年4月となるが、夏休み期間中に限り施設を開放中。今後は親子向け、特に母親と小さな子どもが体験できるイベントも用意する予定だ。

「人里から離れているから、本当に静かで自然の音しか聞こえません。夜は真っ暗で星空がきれい。何もないからこそ、そういったことがぜいたくに感じられるんだと思います」

流しそうめん
広場で昼寝
川で水遊びができる
昆虫観察

8月31日(水)までの夏休み期間中は毎日オープン。入村料は300円、テントサイトは一人につき1500円(3歳~小学6年生は1000円)。ロッジの利用は1万5000円~。

龍山秘密村 浜松市天竜区龍山町大嶺1371-2 053-969-0755 http://himitsumura.wixsite.com/himitsu