特集

油山寺 ご本尊薬師瑠璃光如来

三十三年目 平成の御開帳

(2017年4月6日号掲載)

如来様とのご縁結び 三十三年目 平成の御開帳

厨子(ずし)の扉が開かれた今、悠久の時を超え、秘仏のご本尊薬師如来と縁が結ばれ心の目が開かれていく―。

平成29年4月1日(土)~30日(日)

中開帳が行われている新緑の油山寺へ

御開帳とは

仏教寺院でふだんは秘仏となっている本尊などの仏像を、安置されている仏堂や厨子の扉を開いて拝観できるようにすることを「御開帳」という。寺院により、月に1度、年に1度、あるいは数年から数十年など開帳の間隔はさまざま。御開帳に祈願すると、よりご利益が得られ、功徳となるとされる。

やわらかな春の光が気持ち良い季節。1300年の昔、行基菩薩により開山された真言密教の古刹、自然豊かな醫王山、薬王院油山寺でも木々が芽吹き、鳥の鳴き声が響いている。

そんな中、4月1日より始まったご本尊薬師瑠璃光如来(ほんぞんやくしるりこうにょらい)の御開帳。秘仏であるご本尊の御開帳は百年に一度と定められ、前回は弘法大師の遠忌にあたる昭和59年に大開帳が行われたこともあり、全国から多くの人が訪れたという。

今回は、大開帳の伝統を守りつつ、33年を一代とする中開帳となったため、幸運にも待たずして機会が巡ってきたのである。御開帳は本来、250段の山頂にある本堂で行うものだが、今回は祈祷所のある宝生殿に本尊を迎えての御開帳だという。ちょうど3年に一度の大念珠祭も今年が9回目にあたることから、つい先日4月2日に同じく宝生殿で執り行われたばかり。異例尽くしにも思えるが、鈴木快光住職に今回の御開帳についてお話を伺った。

「昭和59年の御開帳の際に、要望の声が上がり、33年後の今年4月の開催となりました。広く、大勢の方の来ていただくために、山の上にある本堂ではなく宝生殿で行うことにしました。足の悪い方や車椅子の方にも喜んでいただけるのではないでしょうか」。

秘仏の薬師像と五色の紐でご縁を結ぶ

真言密教の油山寺では、ご本尊薬師瑠璃光如来は住職ですら滅多に拝むことができず、写真撮影すら許されていない。ふだん私たちが拝んでいるのは、ご本尊を納めた厨子の前に置かれた「お前立ち」と呼ばれる身代わりの仏像だ。

ご本尊は白木で行基菩薩自らが彫ったものとされ、麻布につつまれている。御開帳とはいえども、間近で拝顔できるものではない。ご本尊の指と結ばれた五色の紐に触れることは、すなわちご本尊と直接結ばれるのと同じ。ここに有難いご縁が生まれる。

悩みを吐き出し心の目を開く

御開帳の期間中、油山寺では10時、12時、14時、16時の4回、祈祷を行うが、12時は特別護摩祈祷となっている。真言を唱えながら、人々から寄せられた願い事が書かれた護摩木を護摩壇で燃やしていく。その炎から上がる煙と引き換えに、人々に福が与えられるという。護摩焚きは神秘的な密教の祈祷だ。

油山寺の名は、その昔、山内の中央にある瑠璃の滝が油であったといわれることによる。かつてお医者さまのことを薬師(くすし)と呼び、薬師さまは身の病、心の病を癒す医者の王様であることから、山号を「醫(医)王山」、院号を「薬王院」とされた。

さらに、1200年の昔、46代孝謙天皇が眼病を患った際、瑠璃の滝の滝水を加持祈祷し、霊水に変化したものを点眼して全快し、勅願寺と定められたことから、霊験あらたかな目の霊山としても知られている。

快光住職はこう話す。「本当に目が治るかどうかはわからないが、心の目を開くことはできる。先を思い煩うのではなく、いま生きていることについて考えることが大切。ここには四季折々、豊かな自然があります。悩みを吐き出せば、いいものも入ってくる。五感で感じ取りながらゆっくり散策し、心身ともに健やかになってほしい」。ぜひ、御開帳を機に、自分と向き合う時間をここで見つけてはいかが。

宝生殿

二百年以上安心して使える建物として平成25年に落慶。ご祈祷や儀式、法話、写経など修業の道場でもある。

三重搭(国重要文化財)

建久元年(1190年)、源頼朝公が眼病全快のお礼に建立。桃山期の姿を今に伝えている。桃山三名搭の一つ。

四天王、十三仏戒壇めぐり

守護神である四天王と、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来、観音菩薩、弥勒菩薩など十三仏と静かに向き合う。

山門(国重要文化財)

山門は、万治2年(1659年)に井伊直好公が建立した掛川城大手門を明治6年御維新の際、寄進されたもの。

目の霊山 油山寺
  • JR袋井駅より車で10分
  • 東名袋井インターより15分
  • 新東名森掛川インターより20分
  • JR新幹線掛川駅より20分
  • 可睡齋より車で5分
  • 法多山より車で20分

お電話・郵送での御祈祷を受付けております
祈祷時刻/10時・12時・14時・16時(12時 特別護摩祈祷)