好奇心、探究心、分からないことを知る楽しさを経験しましょう。
科学って聞くと難しいもの、勉強しないと分からないものと思う人も少なくありません。日常にあって、「なぜ?なに?」って不思議に思うこと、その知的好奇心こそが科学の原点であり入口です。7月6日にリニューアルオープンする浜松科学館のスタッフに、それぞれの得意分野や科学の面白さを聞いてみました。
答えを知ることよりも、興味を持つことが大事です。

リーダー
小粥隆弘さん
科学に興味を持った理由
子どもの頃、浜松科学館で見た大きなムカデやダンゴムシ。ゴチャッとした世界に不思議さを感じ、その経験が今の自分の根底になっています。
私の専門分野は生態学で、中でも得意なものは昆虫です。昆虫も科学なんですよ。
昆虫に興味を持つと散歩するのも楽しくなります。川のせせらぎを見つけては、「あ、確かここってオニヤンマが好きそうなところだな。この時期ヤゴがいるはずだ」。「ケヤキが新緑だね。そろそろウンモンスズメの幼虫が見られるかも」とついつい探し始めます。予想通りそこに幼虫がいると、それがもうたまらなくうれしくて。
トンボの場合、まず種類や形、大きさ、色、飛び方などの違いに「なぜ?なに?」の興味が湧きます。さらに生態を調べることで、その時期にいそうな場所の予測ができて実際に確認したくなります。興味、疑問、知識、予測、確認、新たな疑問、そんな繰り返しが科学だと思います。
皆さんにも日常にある科学の面白さ、不思議さをぜひ知ってほしい。そんな思いから、私たち専門スタッフが楽しくわかりやすいショー形式の実演を用意します。みなさんとの対話をたっぷり交えながら、科学への関心が持てるよう導いていきます。
サイエンスショーには驚きと感動がいっぱい。

リーダー
上野元嗣さん
科学に興味を持った理由
科学館が遊園地に行くような感覚で楽しかったんです。月では体重が軽くなるという体験コーナーで、実際に身が軽くなった体験や発見はすごく面白かったですね。
私の場合は生物も物理も全てが好きで、特に専門というくくりを持っているわけではないんです。何事にも興味があって、1つ何かを知ると、次、また次と知ることができて、それがどんどんつながりながら広がっていく。「だからこうなるんだね」と分かってくる。そうした面白さが科学だと思っています。
例えば、ボウリングのボールを浮かせるショーを行って、「何で浮くの?」「空気の力らしいよ」。それに気付いてもらえればOKです。「空気ってすごいね!」「どこにある?」「ここにあるよ」と、子どもたちが興味を持ってどんどんつなげていく。
リニューアルする浜松科学館ではサイエンスショーに力を入れていきますが、難しい内容は一切なし。そんなスペースになればいいなと思っています。
星空や宇宙の魅力をたっぷり生解説で!

リーダー
雨森勇一さん
宇宙に興味を持った理由
林間学校で星座の説明があった時、「あの星だよ」という星が見えず、悔しくて後で自分なりに調べたことやSF映画「2001年宇宙の旅」、「スターウォーズ」を観たことががきっかけになりました。
「浜松科学館辺りの市街地で夜空を見上げ、星を数えるとすると、はっきり確認できるのは、せいぜい10個、視力のいい人で20個ぐらいですね。でも、本当はこの辺りでもこーんなにたくさんの星々が輝いているんですよ!」と私たち専門の解説員が生解説をしながらみなさんの心をグッとつかんでいきます。
来館当日の星空投影、約5000年の歴史を持つ星座の紹介など、感動ポイントは盛りだくさんです。「宇宙って何で暗いの?」などというお子さんの素朴な疑問にも、どんどん答えていきたいと思っています。ちなみに、リニューアルのオープニングテーマが「宇宙の色」です。「何で宇宙が暗いのか」という疑問も、私たちがご来場の皆さんに問いかけをして、会話のキャッチボールをしながら「実はこうなんだよ」と楽しく解説していこうと考えています。
子どもも大人も楽しめる 「新・体験型展示ゾーン」

みらいーらステージ
楽しみながら科学の原理などを理解できる「サイエンスショー」を行います。

自然ゾーン
浜松の多様な自然や生態系をマクロからミクロまでさまざまなスケールで切り取り、その姿・形の理由を考えてみましょう。

宇宙ゾーン
地球からみた宇宙の姿や宇宙空間を体感しながら学べるゾーンです。

力ゾーン
物体の動きの観察・体感をしながら、力の物理的な法則を見つけましょう。

音ゾーン
音の性質やさまざまな応用技術を通じて、音の世界を体験してみましょう。

光ゾーン
光の仕組み、身近な技術などから、光の無限の可能性を探りましょう。

浜松科学館「みらいーら」
浜松市中区北寺島256-3 TEL.053-454-0178