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特産品の葛と茶を用いた 薬膳「掛川カレー」誕生!

(2019年9月19日号掲載)

古くから掛川の特産品として知られる葛と茶を用いたカレーが、今年5月に誕生した。健康長寿のまち掛川にふさわしい薬膳カレーは「おいしくて健康的!」と評判となっている。健康志向のカレーを開発したのは、地域活性を目指す地元茶産業のメンバーと薬膳料理の専門家や茶の研究者だ。おいしさの秘密と薬膳のチカラを探ってみた。

特産品に秘密あり?健康長寿のまち掛川

掛川の土から生まれ、特産品として古くから大切に育てられてきた葛と茶。その自然の力を地産地消で用い、医食同源を実践する薬膳の技によって、おいしく健康的な一品に仕立てた。
1個540円(税込)

近年、「がんの死亡率が低いまち」「健康寿命が全国トップクラスのまち」として話題になっている掛川市。長寿を保つ秘訣(ひけつ)は、緑茶をよく飲む習慣にあるといわれ、掛川は中でも栄養を豊富にとれる深蒸し茶の産地として有名だ。2013年、静岡の茶草場農法が里山の自然環境を守っているとして、世界農業遺産に登録されたが、掛川市はその茶草場農法の中心地でもある。

もう一つ、掛川の特産品として古くから知られているのが葛。葛布や葛湯として用いられてきたが、「もっと葛を利用しよう!」と掛川市葛利活用委員会が発足し、さまざまな取り組みを行っている。

こうした地元の特産品の茶と葛を用いて、「健康長寿のまち掛川」にふさわしい商品を開発しようと立ち上げたのが、加工用原料茶開発促進協議会だ。協議会の事務局を務める製茶業「山英」の専務・山崎元郷(はるさと)(30)さんは、「まず、緑茶を使って何か健康にいい商品ができないかと考え、乳酸発酵茶末を開発。その乳酸発酵茶末と葛を使って、掛川らしい新たな加工食品をつくりたいと思いました」と話す。

乳酸発酵茶末は、1グラムあたり約9億個の乳酸菌と緑茶成分をあわせ持つ食品原材料。茶のオーソリティーである、静岡県立大学特任教授で茶学総合研究センター長の中村順行(66)さんが開発監修にあたった。

さらに、掛川発の食品を開発すべくレシピづくりに大きく力を発揮したのが、国際薬膳調理師と中華中医薬学会高級栄養薬膳師の資格を持つ中華料理「鳳凰」総料理長、岡部悟(64)さんである。こうして、「掛川カレー」の開発が始まった。

茶と葛が腸内環境を改善する

掛川カレーの材料に用いられているのは、古くから食薬として解毒の役割も担ってきたお茶。中でも緑茶と乳酸菌の成分を持った機能性食材の乳酸発酵茶末を用いていることから、腸内環境の改善と美容効果が期待できるという。

一方、葛は胃腸にやさしい食材で、根は漢方薬の葛根湯でも知られているように解熱作用と口やのどに潤いをもたらす作用があるとされている。掛川では昔、盛んに栽培されていたが近年では減少。最近では、地元高校生や試験圃(ほ)場関係者の協力のもと、葛栽培の取り組みが行われている。今回の商品化にあたっても地元の高校生たちが葛のくき葉の収穫に協力してくれてたという。

掛川カレーはただのカレーじゃない。みんなの協力のもと、地産地消で作られている地元活性カレーなのだ。

デビューから3ヵ月 早くも人気上昇中!

「薬膳カレーって薬臭くない?本当においしいの?」という疑問を抱く人もいるかもしれないが、これが本格的なおいしさと評判なのだ。

というのも、薬膳師の岡部さんが開発したカレーのレシピは、「薬膳の考えをもとに、身体にやさしくマイルドでおいしく食べて健康長寿に」をテーマとしたもの。スパイスを控えめにして、大地に根差す元気な野菜と鶏肉、バターに加え、お茶の香ばしさと乳酸菌の爽やかな風味が特徴だ。また、葛の葉を加えることでまったりとしたコクと新感覚のうまみを出している。

デビューからまだ3か月だが、早くも話題を呼び、評判は上々。おいしい上に健康志向、しかも地域活性につながるカレーとあって、ますます注目を集めそうだ。

当代一流の薬膳師がレシピ開発を担当

国際薬膳調理師・高級栄養薬膳師岡部 悟

全日本薬膳食医情報協会理事として薬膳料理の普及に努めている。静岡県知事賞、陳建民中国料理アカデミー賞、平成28年度厚生労働省「現代の名工」受賞

厳選<薬膳>素材と本格の技
活動のエネルギーとなる気、身体の機能を働かせる血、その血の素となる津液。この気・血・津液が過不足なく、体内をスムーズに流れることで健康が保たれる、と薬膳では考えられています。薬膳掛川カレーは、乳酸発酵茶と葛のくき葉を中心に、気・血・津液を補給し、体内を巡らせる働きを持つ食材をバランスよく採り入れました。本格薬膳の眼で選び、技を使って仕上げた健康志向のカレーです。

写真・取材協力/加工用原料茶開発促進協議会事務局

掛川カレーのお求め等、お問い合わせは(株)山英 0537-27-1024