特集

浜松城・天守閣内展示室リニューアル

徳川家康公と浜松城の歴史

(2021年1月7日号掲載)

「浜松城天守閣」は1958年(昭和33年)に市民からの寄付などにより建設された公園施設。年間約20万人が訪れる人気スポットですが、竣工後60年が経ち、施設内の展示や装飾が老朽化したことから、更新工事が行われ、今年1月1日(金・祝)にリニューアルオープンしました。新しくなった天守閣内の展示内容を紹介します。

展示リニューアルのポイント

徳川家康が築城した浜松城は、豊臣秀吉の重臣・堀尾吉晴による石垣と瓦ぶき建物を備えた東向きの城郭への改築、江戸時代の譜代大名による三の丸の整備を含めた南向きの城郭への改築と度重なる構造の変更が行われました。江戸時代初めの整備によって、東西600m、南北650mにおよぶ大規模な近世城郭になりました。

徳川家康公が浜松城を築いて450年。その節目の年となる2020年度に、浜松城の魅力を高め、市民や来園者の満足度向上を図るため、老朽化していた展示のリニューアルが実施されました。

◆血気盛んな若き家康公

1570年(元亀元年)、29歳の家康公は今川氏の支配下で築城された引間城を拡張して、浜松城を築きます。以来17年間浜松城に居城しますが、三方ヶ原の戦いで武田信玄に大敗するなど、浜松時代の家康公は試練に立ち向かう情熱的な若者でした。後の大人物然としたイメージとは異なる若き家康公の姿を、最新の調査研究の成果に基づいて紹介しています。

◆出世の街・浜松につながる歴史

家康公が築城した浜松城は、その後、豊臣氏の重臣、堀尾吉晴が城主となり、現在の浜松城公園に見られる石垣の多くを構築しました。江戸時代には譜代大名が浜松城主を勤め、その歴代城主の多くが幕府の要職に登用されたことから、浜松城は「出世城」と呼ばれるようになりました。浜松城の重層的な歴史の展示をはじめ、浜松城を起点に、家康公ゆかりの地をめぐる「家康の散歩道」なども紹介されています。

◆浜松創生のシンボル

浜松城は戦後間もない頃まで、天守台の石垣だけが残っている状態でした。そんな浜松城に、1955年(昭和30年)頃から「天守閣を再建しよう」との気運が高まり、その3年後、市民の寄付を中心に建設された浜松城天守閣はまさに「浜松創生のシンボル」です。動物園やロープウエー、市民プールがあった頃の懐かしい写真とともに、当時の浜松市民の思いが伝わるような展示が楽しめます。

家康公と浜松城

以 前
1542年(天文11)
松平広忠の長男として三河国岡崎城に生まれる。
1560年(永禄3)
今川軍として桶狭間へ参戦。岡崎城主として独立する。
1566年(永禄9)
徳川家康と改姓する。
浜 松
1570年(元亀元)
浜松に拠点を移し、遠江の領国支配をはじめる。
1572年(元亀3)
武田信玄と三方ヶ原で戦い大敗する。
1575年(天正3)
織田・徳川連合軍が長篠で武田勝頼軍に勝利する。
1582年(天正10)
武田氏を滅亡させ、信長から駿河国を与えられる。信長が本能寺で憤死、堺から伊賀越えで岡崎に帰還。
1584年(天正12)
織田信雄について小牧・長久手で豊臣秀吉と戦う。このころまでに信濃を含め五カ国領有の大名となる。
以 後
1586年(天正14)
秀吉の妹旭姫を正室とする。拠点を駿府城に移す。
1590年(天正18)
浜松には秀吉の重臣・堀尾帯刀吉晴が入城する。
1600年(慶長5)
関ヶ原の戦いで西軍に勝利する。
1614年(慶長19)
豊臣秀頼討伐として大坂に出陣。(大坂冬の陣)。
1615年(元和元)
再度大坂に出陣し、豊臣氏を滅ぼす(大坂夏の陣)。
1616年(元和2)
駿府城にて病没、久能山に葬られる。

浜松城を物語る「人」の思い、「城」の歴史、「街」の景を、3層の展示体感がつなぐ。こころ家康公の心をうつす「情熱(人)」「情勢(城)」「情景(街)」。
3つの"情(こころ)"でめぐる若き家康公の世界観。

浜松城を解き明かす「人」「城」「街」を、1階から3階を往復する展示体験がつなぎます。この地に城を築いた家康公が、浜松と城に込めた熱き思いを体感するところから展示が始まり、家康公の目線でめぐります。青壮年期の情熱、時代を画した情勢、夢を描いて展望したであろう情景を、各層の特色にした展示シナリオを展開します。

浜松在城の家康公青壮年期に遭遇!浜松をつくった若き家康公の情熱ステージ

家康公の熱き思いを描く

◆若き家康 決戦にかける情熱のドラマ

情熱的に戦国時代を駆け抜けた若き日の家康公をドラマチックに描く。魅力的なナレーション、迫力ある音響と光の演出で、戦国時代に没入。

◆こころに触れる、家康公自身のことば

現代の創作ではなく文献や史料に記載されたことばや浜松に残されている伝説・逸話から人物像を浮かび上がらせます。

家康公の痕跡を追跡!家康公の浜松城を最新研究で実態解明

家康公の城・浜松城の歴史を掘り起こす

引間城から現代までの姿を、スクリーンとジオラマを用いてプロジェクションマッピングで表現。複合的な迫力ある演出です。

歴代城主が望んだであろう城下を望む!浜松のパノラマに重なる家康公が見た情景

家康公が愛した街・浜松を望む

城らしさを感じさせる木質化した空間で当時に思いをはせます。家康公の思いに触れたことで、浜松の街が違って見えることが実感できる場です。

謎多い浜松城の天守閣。その姿解明への手がかり。

浜松城天守秘話

謎が多い浜松城天守について、建てられた時期や失われた時期、400年間天守台に埋もれていた井戸などを紹介。

浜松城天守閣・天守門 ☎053-453-3872 公園管理事務所 ☎053-473-1829

営業時間/午前8時30分〜午後4時30分  入場料/高校生以上200円(中学生以下無料)
入場券販売/天守閣・天守門

ただし、当面の間、特設販売所で販売。入場制限あり。詳しくはホームページをご覧ください。