特集

社会生活と税の役割

さまざまな税と社会生活を支える納税について考える

(2021年1月21日号掲載)

浜松納税意識啓発市民会議が主催した座談会

社会生活と税の役割

浜松納税意識啓発市民会議では、現在、若い世代の皆さんに、健全な納税意識を持ってもらうための啓発活動に重点的に取り組んでいます。そこで今回は、大学生と若手税職員の方々に集まっていただき、税のことや納税のことについて、座談会を開催し、さまざまに語り合っていただきました。

(2020年12月17日収録)

税と納税のイメージ

浜松納税意識啓発市民会議とは

「自らの地域は自らが支える」という理念のもと、浜松市に拠点をおく商工業団体・税に関する団体・報道機関等、23の団体・企業により組織され、市民の皆さんの納税意識の向上を目指し、官・民が一致協力した活動を行っています。

司会
大学生の皆さんにお聞きします。日常生活の中で、税や納税について、疑問に思ったことはありますか。
橋本
昨年からアルバイトを2つ掛け持ちするようになったのですが、バイト先の人から「確定申告をしなければいけないかもしれない」と言われました。確定申告をすると何が起こるんでしょうか。
村松
2019年の10月以降、消費税が8%から10%に上がり、軽減税率が導入されました。飲食店に行ってイートインだと10%、持ち帰りだと8%と税率が変わることで消費税をすごく意識するようになりました。その辺りのお話をお聞きしたいと思います。
山口
自動車を保有していると自動車税や軽自動車税が関わってきますが、その2つの税金の納め先が違うことなどについて、お伺いできればと思っています。
司会
学生さんたちの今のお話について、税職員の皆さんから、お答えいただけるところがあればお願いします。
谷上
橋本さんの質問ですが、2カ所以上から給料をもらっていて、年末調整されなかった収入の合計金額が20万円を超えているのであれば、確定申告が必要になります。確定申告をすることで、所得税の還付ということもあります。現在はスマートフォンで比較的簡単に申告することができますので、2月16日から3月15日までに申告していただければと思います。
橋本
もしかしたらお金が戻って来るかもしれないということですよね。
谷上
そうです。源泉徴収票というものを勤め先からいただけると思いますので、それを見て実際にスマホで確定申告をすると、納付か還付かがわかります。
橋本
スマホで申告ができるなんて、すごく便利で助かります。
山下
市民税、県民税も所得に関わる税金です。ただ、所得税はその年の1月1日から12月31日までの所得にかかる税金なのに対し、市民税、県民税はその所得に応じて計算し、翌年に税金がかかるという特徴があります。
渥美
軽自動車税は市の税金です。白いナンバーが付いている乗用車以上のものはトラックも含め自動車税といって、県の税金として財務事務所が徴収をしています。
山口
親から、「アルバイト収入が103万円を超えると扶養から外れてしまうから気をつけて」と言われます。その仕組みがよくわからないので、説明していただけるとうれしいです。
谷上
令和2年分から税制が変わり、扶養控除は所得が48万円以下でないと適用できません。アルバイト収入は給与所得控除を差し引いて所得を計算しますが、収入が103万円を超えると所得が48万円を上回ります。したがって、扶養に入るためには、ここがボーダーラインということになります。
山口
わかりました。

若者の納税意識の啓発に必要なこと

司会
では次のテーマに移ります。若い世代の皆さんにきちんとした納税の意識を持っていただくためにはどうすればいいか、ご意見を伺いたいと思います。
村松
僕たち世代は生まれた時から消費税が身近にあるので、税金を支払っているという感覚がほとんどありません。ですから、こういう機会があると、税や納税に対する意識が高まるんじゃないかと思います。
山口
今、大学3年生で、この時期は将来の働き方、生き方を考える機会がたくさんあります。その中で、働き方とセットで税金について知る機会があるといいなと思います。
橋本
大学1年生のときに、学内で年金の話を聞く機会がありました。行ってみたら、私しかいなかったんです。もっと大学で広報するとかしたらいいなと思いました。
司会
行政では、若い人たちへの納税意識の啓発に向けて、どんな取り組みをしているのか、ご紹介いただけますか。
谷上
先ほどお話ししたスマホ申告、e¦Taxというものですが、これが大きな取り組みになります。現在では、AIチャットボット「ふたば」で所得税に関する相談やユーチューブ動画で確定申告の方法などについて説明しています。
渥美
財務事務所では、毎年小学生に租税教室を行い、税金の使われ方や納税の重要性を説明しています。また、自動車税は、昨年からスマホ決済でも納められるようになりました。加えて、県内の協賛店で割引券のサービスが受けられる「ふじのくに自動車税期限内に納めてGOOD!早めがいいらキャンペーン」も実施しています。
山下
今、スマホ決済の話がありましたが、市でもスマホでの納税がスタートしています。また、Web口座受付サービスが4月に開設予定です。窓口に行かなくてもWeb上で軽自動車税や固定資産税などの口座振替の申し込みができるようになります。
司会
税職員の皆さんが、学生の頃と今とでは、税に対する意識がどう変わったか、お聞かせください。
谷上
私は主に所得税と個人事業者の消費税を担当していますが、税務調査といって申告内容の確認に出向くこともあります。この仕事に就いて正しい申告の大切さと現在の仕事の必要性を強く感じています。
渥美
私が大学生の頃はできれば税を払いたくないし、消費税も安いほうがいいというイメージでした。それが社会人になり、実際に税金を納めに来ていただく方々と接するようになると、やはり公正公平に課税しなければならないと日々痛感しています。
山下
実際に市で働くようになり、保健福祉やごみ処理などの市民サービスの提供、「浜松市デジタルファースト宣言」に基づくデジタル化の事業を実施するにあたり、市税が大きな財源になっていることを実感しています。
司会
今のお話を聞いて、改めて若者にきちんとした納税意識を持っていただくには、どうすればいいでしょうか。
村松
自分たちの税金がどんなふうに使われているのか、わかりやすい図や表になっていると、その地域に住んでいる人の納税意識につながるんじゃないかなと思います。
橋本
私たちの世代はユーチューブを見る機会が多くあります。そこで流れるCMは面白ければ最後まで見るので、そういった媒体を活用して告知してみては?と思います。

税の使われ方について

司会
これから社会に出られる皆さん方が思う、より良い税の使われ方についてお聞きしたいと思います。
村松
ニュースで時々聞く、教育の話ですが、特に大学だと、基礎研究と応用研究があって、その基礎研究の部分で国の税金が使われると、若い研究者を育成することに役立つと思います。
山口
愛知県の新城市には、市内に住む有志の若者などによる「若者議会」という仕組みがあります。若者がまちづくり政策を検討し、市の予算の使い道を提案する、というものです。自分が、税金を含む市の予算を使う側の立場になると、大切に使おうと思うと同時に、きちんと納めようという意識も芽生えます。こういった税金の使われ方もあるんだなと思います。
村松
僕が代表をしている団体では、浜松市の学生ボランティアのネットワーク事業運営を委託され、浜松市の予算の一部を使わせていただいています。このことで、社会に参加しているんだという意識や、社会を良くしていこうという責任感が生まれてきました。実体験をする機会を若者にもっと与えれば、その財源である税への意識が高まるのではないかと思います。
司会
今の学生の皆さんのお話を聞いて、税職員の方々はどう思われたのか、感想などをお聞かせいただければと思います。
谷上
自分の納めた税金の使い道が分からなかったり、必要なところに使われなかったりすると困りますよね。税金の使われ方をもっと知る機会があれば、納税の意識も上がってくると思います。
渥美
税金がどう使われて、どう社会が変わったか、というのが見えると、納税者として意欲が湧くというか、社会人という意識が芽生えるという意見はとても重要だと思います。
山下
税金というのは、納税した分に応じてサービスが変わるのではなく、皆さんが健康で文化的な暮らしを送るために社会の会費として日々の生活に役立つものです。そのような取り組みを今後もしていきたいと思っています。
司会
ありがとうございました。それでは最後に伊藤会長から、本日の座談会のまとめをお願いします。
伊藤会長
本日は貴重なご意見をいただきありがとうございました。社会生活を支える税や納税について、皆さんのきちんとしたお考えにとても感心しました。また、お話をお聞きして若者が税をもっと身近に感じる機会の提供と情報発信が必要だと思いました。私たち市民会議も引き続き納税意識の啓発に尽力してまいります。間もなく令和2年分の確定申告が始まります。コロナ禍ではありますが、正しい申告と納税にご理解をお願いします。本日はありがとうございました。

座談会メンバー

市民会議 会長
伊藤升吾さん
司会 市民会議 事務局長
鈴木孝明さん
静岡大学
山口七海さん
静岡産業大学
村松貴利さん
浜松市 財務部
税務総務課
山下千晶さん
浜松財務事務所
自動車税課
渥美遥佳さん
静岡文化芸術大学

橋本成美さん
浜松西税務署
個人課税部門
谷上拓俊さん

税に関するイベント情報

「社会生活と税」のフォトコンテスト 2021

「税」についての知識を深めていただくことを目的とし、「社会生活と税」をテーマにした写真を募集いたします。

テーマ:「社会生活と税」

※確定申告を通じての納税や税の使い道に関する写真

表彰/(公社)浜松西青色申告会会長賞2名、ナイスフォーカスゴールド賞5名、ナイスフォーカス優秀賞5名(各賞に賞状と副賞を授与)

対象/浜松市内の小中学校に通学している児童・生徒のみなさま

期間/2021年2月1日(月)~3月31日(水)

作品展示/5月26日~31日、遠鉄百貨店 イ・コ・イ スクエア6階 ギャラリーロゼ

主催・問い合わせ先/(公社)浜松西青色申告会 TEL.053-454-2101

※応募概要、発表等、詳しくは、http:// hamanishi-aoiro.blue.coocan.jpを検索してください。

税理士による確定申告無料相談会

日時/2021年2月13日(土) 9:30〜16:00

会場/浜松市市民協働センター 第3研修室

内容/所得税(譲渡所得を除く)・消費税に関する相談、申告書の作成指導※申告内容により相談できない場合があります

定員/30人(先着) 

主催・問い合わせ先/東海税理士会 TEL.052-581-7508