スポーツ

スポーツの季節 Vol.1

セーリング

(2016年4月28日号掲載)

湖面に浮かぶ、スタート直後のOP級のヨットたち。春になると浜名湖で見られる光景だ。

南風に帆を膨らませたヨットが、一艇、二艇と浜名湖へ出る。舵を取るのは10代の若きセーラーたちだ。春は始まりの季節。彼らにとって、今年もまた船出の時がやってきた。

3月末、静岡県立三ヶ日青年の家で「YMFSセーリング・チャレンジカップIN浜名湖」が行われた。公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団が主催するこの大会は、毎年この時季になると行われる春の風物詩だ。小学生から高校生までの選手たちが参加する、国内最大級の競技会。24回目を数える今年は、全国から34クラブが集まり、100人以上のセーラーが腕を競い合った。

シーズンの始まりとなる春は、寒く厳しい冬を乗り越えた選手たちの力が芽吹く時季だ。季節の変わり目に吹く風が、船体、そして選手たちを前進させるエネルギーとなる。

「レースで勝つにはスタートが重要。良いスタートが切れると、その後のコース運びがうまくいきます」

そう話すのは、地元の浜名湖ジュニアクラブに所属する三浦凪砂さん(当時中学3年)。定位置からスタートを切る陸上競技とは違い、ヨットレースのスタート位置は選手同士の駆け引きで決まる。選手たちはレース開始時刻まで、スタートライン上を行き来しながら熾烈なポジション争いを繰り広げるのだ。

号砲が鳴った時、最も有利な位置からスタートが切れるよう、風の向きや強さ、潮の流れを読んだ上で、最も風を受けられる場所を見付けなくてはならない。周囲の選手との駆け引きも必要だ。スタートの出来が、そのまま結果につながってしまうことも少なくない。

「他の選手に良い風を取られないようにスタートを切ります。これがうまくいくと、目的地まで良い角度を保って進むことができるんです」

何事も、始まりが大事―。シーズン幕開けとともに行われるこの大会は、選手たちにとって1年の出来を占う試金石でもある。「今日はいい風が吹きました」。レース終了後、三浦さんは笑顔を見せた。大会3日間で好成績を残した彼女は、レーザー4・7級で見事優勝を果たした。

YMFSセーリング・チャレンジカップIN浜名湖

毎年3月下旬に浜名湖で行われている、小学生から高校生までのジュニア・ユース世代の大会。今年は3月24日~27日に、国際OP級、ミニホッパー級、レーザー4.7級など7種目が行われた。実際の競技のほか、五輪出場経験者らの指導者が選手たちに指導する勉強会も行われている。

静岡県セーリング連盟 浜名湖ジュニアクラブ

ビーチスマリーナ(浜松市北区三ヶ日町)を拠点に活動するヨットクラブ。小~高校生を対象に、セーリング技術の指導や各種大会への参加を行っている。練習は主に日曜日。体験希望などの詳細は下記まで。
河合さん hamanakojr@gmail.com